「じゃがじゃが鍋」1人前1400円は、宮崎・黒木本店の肥料で育てた鴨頭ねぎと豚しゃぶに。尾鈴山蒸留所『尾鈴山山猿』730円と相性抜群。

蔵元推薦の食材を堪能

焼酎と食事をゆっくり楽しめるようにと、カウンター席は奥行きあるつくり。奥にテーブル席も。バックバーには200種類ほどの焼酎が並ぶ。

東京で美味しい焼酎の店となれば、必ず名前が挙がる一軒。2006年の開店から、店主の井上亮さんは九州に足繁く通い、蔵の人々と酒を酌み交わしては、彼らの飲み方や合わせる料理を道標として店を進化、研ぎ澄ましてきた。

たとえば、看板料理「じゃがじゃが鍋」。宮崎の蔵元、黒木本店の先代の紹介で出会った宮崎「あじ豚」を使った豚しゃぶで、蒸留後の醪を再利用した飼料で育つ。

「ベースに出汁を使ったり、特製のポン酢を試したりといろいろやりましたが、豚の脂がとても甘くて美味しいので、結局、水と普通のポン酢が一番よかったんです」

単純明快と笑うが、ひと口食べれば納得。ピュアな豚の美味しさと、傍らに同じく黒木本店の酒があれば、最高のマリアージュ。これ以上の至福はあるまい。

『武者返し』の蔵元・寿福酒造場の寿福絹子さんの紹介により、熊本から直送で届く馬刺しは赤身1100円、ロース肉1400円。

ほかにも蔵元からの推薦というお宝食材がザクザク。どれもシンプルに供し、焼酎のふくよかな風味を盛り立てる。「焼酎は香りの飲み物なので、香りを楽しんで」と語る、焼酎の割り方も見事。一事が万事。奇を衒わず、余分を省き、王道を進む店なのだ。

『健土』は鹿児島・垂水に誕生した新規蔵の芋焼酎。780円。ナデシコ酵母を使った球磨焼酎『あさぎりの花』は華やかな香りでソーダ割りにおすすめ。780円。
熊本の球磨焼酎『武者返し』はガラという酒器で直火にかけて、氷に注ぐ“燗ロック”で。油分が溶け込み、香りが立ち上る。730円。

●焼酎ダイニング だけん 

住所:東京都中央区八丁堀2-19-10 泰昌堂ビル1階 
電話番号:03・5244・9804 
営業時間:17時〜24時(最終注文23時) 
定休日:日曜、祝日 
交通アクセス:地下鉄日比谷線ほか八丁堀駅A3出口より徒歩約3分

取材・文/渡辺菜々緒 撮影/寺澤太郎

※『サライ』2026年8月号より

8月号特集は「本格焼酎」は風土で味わう

 

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