天候を気にせず、気軽に名店の味が楽しめ、個性的な店が集まる地下街は、都会の「オアシス」であり地域の魅力が凝縮された「観光地」でもある。その楽しみ方を案内する。
巨大な海老を真っ直ぐに揚げた海老フライ
名古屋駅周辺の地下街の中でも、エスカには「名古屋めし」の有名店が多数並んでいる。
名古屋の名物料理といえば、味噌かつや味噌煮込みうどん、手羽先、ひつまぶし、きしめんなど様々だが、愛知県の県魚が車海老であることから、海老フライはとりわけ“激戦”だ。
そんな中、エスカへ平成24年に出店した『海老どて食堂』では、“日本一長い”と銘打たれた35cmもの特大海老フライが観光客の人気を集めている。同店には特大海老フライの他にも、大海老フライは23cm、味噌だれで食べる「海老どて」は13cmと、サイズの異なる海老を揚げている。店長の山下真弘さん(55歳)はこう語る。
「大きな海老を真っ直ぐ、きれいに揚げるには、素材の状態に合わせて、数か所に切り込みを入れるなど、ひと手間かける必要があります。これにより、プリプリの食感やジューシーさが生まれます。特大海老フライや大海老は見た目のインパクトがあるので特に観光客の人気が高い商品です」
海老フライの味を引き立てるのは自家製のタルタルソース。甘酢を隠し味に使っている。
海老フライ+味噌だれ
同店のもうひとつの名物が「海老どて」。13cmの食べ応え充分な海老フライに、オリジナルの八丁味噌ベースの味噌だれを絡めて食べる。味噌だれは、八丁味噌に海鮮を混ぜて加工した味噌を合わせ、仕上げに卵黄を加えてまろやかにしている。
味噌だれは卓上で温めながら供されるので、熱々の味噌だれでプリプリの海老フライの食感を堪能できる。山下さんは言う。
「エスカは名古屋の食の発信地でもある。試行錯誤を続けながら、新たな魅力を発信していきたい」
海老どて食堂
愛知県名古屋市中村区椿町6-9エスカ地下街
電話:052・459・5517
営業時間:11時〜21時30分(21時最終注文)ランチ11時〜14時
休業日:エスカに準ずる
※この記事は『サライ』2023年3月号より転載しました。