天候を気にせず、気軽に名店の味が楽しめ、個性的な店が集まる地下街は、都会の「オアシス」であり地域の魅力が凝縮された「観光地」でもある。その楽しみ方を案内する。
買い物帰りにひと息入れる
『心斎橋ミツヤ』は、昭和18年(1943)に甘味喫茶として、大阪市福島区で創業、現在はレストランや喫茶店など、大阪を中心に30店をチェーン展開する。こちらの店は昭和38年(1963)の「ウメダ地下センター」(ホワイティうめだ)の開業に合わせ開店した。
当初は「純喫茶 心斎橋ミツヤ」と呼ばれ、形態は甘味も提供するフルーツパーラーで、女性がひとりでも入りやすい店を目指した。現在は甘味だけでなく、洋食を中心にバラエティに富んだメニューが用意されている。
ランチの時間帯は混雑するが、それを過ぎるとのんびりした時間帯に入る。店長の前川健二さんは、それを「あんみつタイム」と呼ぶ。地下街は阪急や阪神の百貨店と直結しているので、平日の14時過ぎから夕方にかけて買い物帰りの女性客が来店し、百貨店の紙袋を脇にあんみつを食べひと息入れるのだという。阪神大阪梅田駅が近いので、甲子園球場で阪神戦を観戦した後に立ち寄る客も多い。
「阪神ファンが酔い覚ましにあんみつを食べたり、クリームソーダを飲んだりされます。阪神が勝ったときと負けたときでは店の雰囲気が一変します(笑)」(前川さん)
心斎橋ミツヤ
大阪市北区小松原町梅田地下街4-7(センター・サウスモールA7)
電話:06・6312・4761
営業時間:9時~22時(曜日により変動あり)
休業日:元日、奇数月第3木曜
交通:地下鉄谷町線東梅田駅より徒歩約1分、阪神大阪梅田駅より徒歩約5分 87席。
●「ホワイティうめだ」は7駅に隣接しているため、最寄り駅からの所要時間を記載しています。
※この記事は『サライ』2023年3月号より転載しました。