取材・文/前川亜紀

1971年に結成された、英国のロックバンド・QUEEN(クイーン)。1991年にフレディ・マーキュリーが亡くなるまでの約20年間、同じメンバーで活動を続けながら、革新的な楽曲を次々と発表してきた。

彼らは親日家で、日本語を歌詞にした『Teo Torriatte』などの曲もある。2004年に『I Was Born To Love You』が爆発的にヒットするなど、日本でも熱狂的なブームが何度かあったが、2018年に映画『ボヘミアン・ラプソディ』が大ヒットする。これをきっかけに、次世代のファンも激増。2020年1月末には、アダム・ランバードをボーカルに、4年ぶりの来日コンサートも開催し、今なおその勢いは続いている。

そんな今、行きたいのは東京・銀座の『Ginza Sony Park』で開催中の音楽イベント『#013 QUEEN IN THE PARK ~クイーンと遊ぼう~』だ。開催期間は、2020年1月22日(水) ~ 2020年3月15日(日)。無料で楽しめるのも魅力だ。

早速内容を紹介しよう。

まずは、フレディの巨大なモニュメントがお出迎え。

ミラー素材のフレディ。クールなデザインだ。

取材時、『フレディ・マーキュリー 自らが語るその人生』の著者であり、クイーンのオフィシャル・アーカイヴァーのグレッグ・ブルックス氏(中央)が来場していた。QUEENのトリビュートバンド・QUEERのロジャー高橋氏(右)。同バンドのいと氏(左)。

懐かしの『メロディステップ』がロックに再登場

そして、会場左手の階段を下り、『WE WILL ROCK YOU – Melody Step』を体験しよう。

階段を「ズンズンチャ」とリズムよく踏むと、ある仕掛けがある。黄色のラインを踏むことがポイントだ。

これは、“ズンズンチャ”の始まりでおなじみの『We will Rock You』のイントロを階段のステップを踏んで奏でるというもの。かつてソニービルにあった「ドレミ階段(メロディステップ)」を思い出す人も多いだろう。この、地上から地下へとつながる大階段を“ズンズンチャ”と降りてみよう。上手にステップを踏むと驚く仕掛けが待っている。

新旧ラジオのサウンドで『RADIO GA GA』

地下一階に降りると、『RADIO GA GA – Radio Installation』が迎えてくれる。

70台のラジオが、同時に曲を奏でる。あたたかみのある音を体験できる。

合計70台に及ぶ大小様々なラジオが、個々の音の重なり合ったサウンドで一斉に楽曲を奏でるという圧巻の展示だ。ソニーの歴代ラジオが、懐かしいサウンドを奏でている。

多重録音の『ボヘミアン・ラプソディ』を体感

それから、地下2階へ行き、『BOHEMIAN RHAPSODY – Sound VR』を体験しよう。これは多くの人が「音を触っているようだ」と感想を述べる未知なる体験ができる。

ブースの外観。

約10mのトンネル状の空間に『Bohemian Rhapsody』の楽曲が流れ、ボーカル、コーラス、ギター、ベース、ドラムなどそれぞれの音が、左右前後や上下に立体的に聞こえてくる。複数の音を、それぞれの位置に散りばめ、音響空間を創るという、ソニーの空間音響技術『Sonic Surf VR』の技術と楽曲が融合している。その没入感と立体感に、オールドファンの中には涙する人もいる。

フレディになれる!? 映像技術を体験

さあ、QUEENのすごさを感じたら、『BOHEMIAN RHAPSODY – Video Parody』でメンバーの一人になってみよう。

ブース内に入って、口をパクパクさせると、あのアイコニックなミュージックビデオの一員になれる。

世界的に知られ、今なお色あせない『Bohemian Rhapsody』のミュージックビデオ。これに自分自身の顔を入れることができるのだ。ブースに入り、口を動かす様子を撮影すると、メンバーと自分の顔が入れ替わって登場。容姿の差にガッカリするほどに、クスリと笑いながら楽しめる。

ブース外のモニターに、フレディとは程遠い記者の顔が映し出された。

フレディになってKARAOKEをしよう

地下3階の『WE ARE THE CHAMPIONS – Karaoke Champion』では、人目を気にせず、QUEENになりきって歌うことができる『We are the Champion』専用のカラオケボックス。防音のボックス内で、ミュージックビデオを見ながら、フレディになりきろう。

ブースの外側。中にカラオケ設備がある。複数人で盛り上がるのも楽しい。

トリビュートバンド・QUEERのロジャー高橋氏が、「フレディと同じくマイクスタンドがない」と気付き、ブース外でポーズ。(実際にカラオケが楽しめるのは、ブース内)

他にも、様々な「クイーンと遊ぶ」仕掛けは多数ある。

自分の影を変容させるマルチプロジェクションシステム「Fragment Shadow」を駆使した、『ANOTHER ONE BITES THE DUST – Fragment Shadow』で視覚的に音楽を体験。

『ANOTHER ONE BITES THE DUST』の曲に合わせて、自分の影が変わる。影がフレディになったり、色が変わったりする。

ジュークボックスが募金箱になっている

楽しんだ後は、170万枚売れたQUEENアルバム『JEWELS』に収録された16曲専用のジュークボックス『JEWELS – Donation Juke Box』に募金をしたい。募金を入れ、曲を選ぶと地下4階のPark BGMとして流れてくる。 投入された募金は、世界規模でAIDSと戦うチャリティー財団である『THE MERCURY PHOENIX TRUST」に寄付される。

正面左の募金箱にお金を入れると、「THANK YOU!!」の文字が出る。その後、選んだ曲がBGMとなって流れる。

開催に際してメンバーからもコメントが届いている

「QUEENの人気を後押ししてくれた日本は、私たちにとって今でも特別な国です。その日本の代表的な都市である銀座に、公園をつくったと聞いてとても驚きました。この”Ginza Sony Park”で行われるエンタテインメントとテクノロジーの融合は、遊び心に溢れ、来園されるみなさまにとっても、また私たち自身にとってもかつてない音楽体験になるだろうと感じています。自分たちの楽曲の新たな側面も発見できるかもしれません。私たちもこの QUEEN IN THE PARK で音楽にどっぷりと浸り、”遊ぶ”ことを楽しみにしています」(ギター/ブライアン・メイ)

「ブライアンの言う通り、このプログラムは私たちにとっても初めての体験です。ワクワクするような取り組みを数多く実施してきた”Ginza Sony Park”だからこそ実現できたと思っています。私たち一色に染まったこの公園での”聴く”だけではない音楽体験を通して、より多くの方々にQUEENの曲を楽しんでもらえたら嬉しいです」(ドラム/ロジャー・テイラー)

QUEENが来日し、盛り上がっている今、銀座に「クイーンと遊び」に出かけよう。ロック少年・少女だったころを思い出すほどに、最新の音響技術で体験するQUEENのすばらしさを感じるはずだ。

そして、最近聞き始めた人も、十分楽しめる。胸が熱くなる新たなクイーン体験をしに、銀座に出かけてみてはいかがだろうか。

【 #013 QUEEN IN THE PARK ~クイーンと遊ぼう~ 開催概要 】

タイトル: #013 QUEEN IN THE PARK ~クイーンと遊ぼう~

開催期間: 2020年1月22日(水) 〜 2020年3月15日(日)

開催時間: 10:00〜20:00

会場  : Ginza Sony Park

料金  : 入場無料

URL      : https://www.ginzasonypark.jp/program/021/

SNS      : @ginzasonypark (Instagram, Twitter, Facebook)

 

 

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