
マネジメント課題解決のためのメディアプラットホーム「識学総研(https://souken.shikigaku.jp)」が、ビジネスの最前線の用語や問題を解説するシリーズ。今回は、「リンゲルマン効果」を取り上げ、考察していきます。
リンゲルマン効果とは?
「リンゲルマン効果」とは、集団の人数が増えることで、個々のメンバーの努力が減少する現象です。つまり、グループでの作業において、メンバーが多くなると一人一人が自分の貢献が目立ちにくくなり、結果的に責任感が薄れてしまうことを指します。
識学流「組織の3大原則」
識学では、組織の三大原則として、組織図・ルール・評価制度の3つを整備しています。
リンゲルマン効果は、特に大企業や人数が多い部署でよく起こる現象ですが、上記3点はうちの会社でもすでにあるよと思う方も多いと思います。
ただ、リンゲルマン効果を生まないためには、上記3つ全てを関連付けて仕組化する必要があります。
●組織図のポイント…組織図を機能させることで、役割が明確になり責任がハマる状態を作る
●ルールのポイント…ルールを機能させることで、当たり前の基準を上げる状態を作る
●評価制度のポイント…評価制度を機能させることで、社員が継続的に頑張る状態を作る
リンゲルマン効果を生まないポイント
リンゲルマン効果を生まないための仕組み作りは、組織の三大原則を整え、以下のポイントを押さえる必要があります。
1.個人の責任を明確にする(組織図、役割定義)
グループでの役割分担を明確にし、各メンバーが自分の役割や貢献内容を意識できるようにすることが重要です。個々の成果が評価されるようにすることで、責任感が高まり、手を抜くことを防げます。
2.成果の可視化(役割定義表)
チーム内で成果を可視化し、個々の進捗や貢献を定期的にチェックする仕組みを作ります。例えば、定期的な報告会や進捗共有を行うことで、メンバーが自分の貢献を認識しやすくなります。
3.小規模なグループに分ける(組織図、役割定義表)
大人数のグループだとリンゲルマン効果が発生しやすいため、チームを小さなグループに分けて作業を進めると良いでしょう。小さなチームだと、各メンバーの貢献が目立ちやすく、個々の努力が求められる環境になります。
4.チーム評価と個人評価を合わせた目標設定する(基準点付き役割定義表)
個々の努力に対して報酬を与えることで、メンバーが自分の貢献に対してモチベーションを持ち続けやすくなります。チーム全体の成果だけでなく、個人の貢献にも報酬が与えられる仕組みを作ると効果的です。
5.チーム内の競争を促す(変化率がある組織)
グループ内で健全な競争を促進することも効果的です。個々の成果が他のメンバーと比較される状況を作り出すことで、各メンバーが自分の役割に対して積極的に取り組むようになります。
これらの仕組みを取り入れることで、リンゲルマン効果を抑制し、チーム全体のパフォーマンスを向上させることができます。
まとめ
今回は、リンゲルマン効果を生まないための組織の仕組みづくりについて解説しました。
仕組化は、管理する側も実働する側も「なぜその施策を行うのか?」の共通認識を合わせる必要があります。一人一人の単体としてのパフォーマンスしかでないのか、もしくは、相乗効果が発揮されるのかどうか。
少子化・売り手市場で人財獲得、育成に多大なる労力と費用がかかる今日だからこそ、縁あってせっかく集まった社員のために、生産性を向上させるための仕組みを整えていきましょう。
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