希少性が高く、金・銀同様に高価な金属である「錫」。酒の雑味を除いて味をまろやかにする効果があるとされ、日本では平安時代から宮中で珍重されていたという。そんな錫の特性を生かし、「和の宴席にふさわしい品格ある酒器」をコンセプトに、日本料理の老舗「日本橋ゆかり」3代目・野永喜三夫氏がプロデュースしたのが本品。かぐや姫でも出てきそうな竹の節を象った、美しい輝きを放つ酒器である。
製造は、富山県高岡市の鋳物メーカー「能作」。世界で初めて錫100%の製品を生み出したパイオニアだ。
「錫はやわらかく加工が難しいため、通常は硬度を上げるために他の金属材料を加えて製品を作ります。その点、当社は高岡に約400年伝わる鋳造技術を活かして、純度100% の錫を使ったモノづくりを確立しました」と、商品開発の竹内邦子氏は胸を張る。
金属でありながら人肌になじむ柔らかな手触りや、職人が打ち込む槌目模様が魅力。「錫は錆びない、朽ちない性質から縁起がよいといわれており、贈答品にも最適です」と、竹内氏。その凛とした佇まいは、夏の晩酌をより上質に演出してくれるだろう。
【今日の逸品】
竹型酒器セット
能作
33,000円(消費税込み)