取材・文/ふじのあやこ
離婚、再婚などで複雑化する家族関係。血縁のない家族(義家族)との関係で生じる問題、そして新たに生まれたものを、当人にインタビューして、当時感じた素直な気持ちを掘り下げます。(~その1~はコチラ)
今回お話を伺った彩子さん(仮名・42歳)は、38歳の時に結婚し、働きながら都内で夫との2人暮らしをしている兼業主婦です。夫との年齢差は8つ。プロポーズを受けた時に将来の子どものことをじっくりと話し合い、納得して決めた結婚でしたが……。
「夫と付き合う前に私は子宮の病気で手術を経験していて、絶対に子どもができなくなるものではなかったのですが、不妊のリスクはありました。そのことを、プロポーズを受けた時に伝えて、2人で『不妊治療をしてまで子どもを欲しがらないこと』を決めたんです。夫は私のことを一番に考えてくれました。でも、義家族はそうじゃなかった。結婚はここまで家族が関わってくるものなんだって、独身の頃に想像していたものをはるかに超えていました」
結婚の報告で最初に聞かれたのは年齢。年上の嫁を嫌がっているように見えた
彩子さんの家は、結婚の報告に家族全員が大喜び。しかし、夫の家族へ会いに行った時、開口一番に聞いてこられたのは年齢のことだったとか。
「最初は笑顔で迎え入れてくれて、第一印象は優しそうな人でした。結婚の報告をした後に、義母から『おいくつ?』と聞かれてドキッとしたことを覚えています。当たり前ですが、生まれて初めて経験した相手家族への結婚の報告で、『仕事は?』とか、『ご家族は?』とかを最初に聞かれると思っていたのに、年齢なんだなって。まぁ見た目から、夫よりも年上に見えたんでしょうけど。
実年齢を伝えた時、必死にひきつるのを隠しているような笑顔に見えましたね……」
結婚の報告時の話は子どものことまでに及びます。彩子さんに聞かれたことだったようですが、代わって話し始めた夫は、しっかりと説明してくれたそう。
「私の病気のことには触れなかったものの、治療までしての妊娠は望んでいないことを、すでに2人で決めたと言ってくれました。とても頼もしかったです。あまりの迫力に、義両親がそのことに触れることはありませんでした。
でも、完全に納得してはいなかった。それから義母は私の行動を逐一チェックするようになりました」
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