親族や友人、会社関係など、誰かしらの葬儀に参列したことがある人は多いだろう。一方で、葬儀を取り仕切る立場を経験したことがある人は少ないのでは? 今回は、日本最大級の終活サイト「終活ねっと」が実際にお坊さんを手配したことがある618名を対象に行なった「お坊さんに関する実態調査」を参考に、お坊さんの手配の仕方や実際にかかった費用など、いざという時のために知っておくと役立つ、リアルなお葬式事情を紹介する。
40歳以上男女の3人に1人が、お坊さんの手配経験あり
「お坊さんの手配経験はありますか?」という問いに、「ある」は19.8%、「ない」は80.2%となった。男女別で詳しく見てみると、男性で「手配したことがある」人が22.5%、女性で「手配したことがある」人が17.0%となり、男性が手配することが多いことがうかがえる。
なお世代別に見ると、40歳未満の人で「手配したことがある」は10%にも満たないが、40歳以上の人で「手配したことがある」は平均で27.8%となり、年齢とともにお坊さんの手配をする機会が増えているようだ。
一度お坊さんを手配したことがある方の6割は、法事の際のお坊さんが決まっている
次に手配の有無に関わらず、「葬儀・法要が行われる場合に、手配するお坊さんはすでに決まっていますか?」と質問したところ、「決まっていない」が40.2%で1番多い結果となった。次いで「手配する予定はない」が30.3%となり、「決まっている」の29.6%をわずかに上回った。
また、お坊さんを一度でも手配したことがある方の回答は、「決まっている」が64.8%、「決まっていない」が20.8%、「手配する予定はない」が14.4%と、実際にお坊さんを手配した人の6割以上の方が、前もって手配するお坊さんを決めていたことがわかった。
お坊さんの手配は、お付き合いのあるお坊さんや葬儀社経由での依頼が9割以上
アンケートでは、実際に直近でお坊さん手配を行った方に、「お坊さんの手配はどのようにして行いましたか?」と聞いている。
すると、「お付き合いのあるお坊さんに依頼」が70.1%、「葬儀社に依頼」が22.7%と、お付き合いのあるお坊さんや葬儀社に依頼した人が全体の9割以上を占めていることがわかった。
お坊さん手配にかかる費用。大半が予算をオーバー!
さらに気になる費用について調査している。
まず葬儀を執り行う場合、お坊さんを手配するのにどのくらいの費用をかけたいかとの問いには、「5万円未満」が48.5%、続いて「5万円以上~10万円未満」が27.0%、「10万円以上~15円未満」が9.2%、「15万円以上~20万円未満」が6.9%となり、「20万円未満」で考えている人が9割以上いる結果となった。これは男女別で見ても、ほとんど差は見受けられなかったという。
続いて実際に葬儀を執り行った際に、お坊さんを手配するのにかかった費用について。
回答者全体で見た場合、「5万円以上~10万円未満」が最も多く24.9%。そして「10万円以上~15万円未満」が14.9%、「15万円以上~20万円未満」が11.7%、「5万円未満」が10.9%と続いた。
また、実際にお坊さんを手配するのにかかる費用が、想定する金額とどれくらい違いがあるのかを調べるために、『葬儀を執り行う場合お坊さんを手配するのにどのくらいの費用をかけたいか』という質問への回答者別に、実際にどれくらい費用がかかったのかを尋ねている。
想定予算を「5万円未満」としていた人のうち、実際にかかった費用が「5万円未満」と回答した人は22.7%でもっとも多かったが、残りの8割近くの方が想定予算をオーバーしているとの結果になった。
次に、想定予算を「5万円以上~10万円未満」としていた人のうち、予算以内でお坊さんの手配ができた人の割合は52.2%。残りの47.8%の人が予算オーバーしてしまったようだ。また想定予算を「10万円以上~15万円未満」あるいは「15万円以上~20万円未満」と回答していた人の場合も同様で、半数近くの方が想定予算をオーバーしたとの結果になった。
今回の調査から、お坊さんの手配にかかる費用は、自身が考えている以上に費用は高くなるケースが多いようだ。最近は、定額でお坊さんを手配でき、葬儀をお願いできるサービスも登場している。そのようなサービスを利用するにも、また従来の方法でお付き合いのある人にお願いする場合でも、何にいくらかかり、相場はいくらぐらいなのか、ある程度知っておいた方がいいかもしれない。
文/鳥居優美