春は気温の寒暖差が激しい季節ですが、満開の桜の横に雪が積もったりと今年は特にその傾向が強いですね。また、新生活に伴う環境の変化もあり、体調を崩しやすい季節でもあります。体調を整えるためには、人間の体に元々備わっている、免疫機能を高める必要があります。免疫力を高めるには「たんぱく質」の摂取が有効です。
キューサイ株式会社がそんな「たんぱく質」について首都圏に住む20代~50代の女性600名を対象に調査を行ないました。日々の健康のために、有効なたんぱく質の摂取方法をしっかり見ていきましょう。
たんぱく質=筋肉づくりの時代は終了、新たなブームの兆し!
近年、「たんぱく質(=プロテイン)」は、筋肉を作る栄養素として注目されていますが、「普段の食事で意識して摂るようにしている栄養素」について聞いたところ(表1)、1位「ビタミン(45.0%)」、2位「食物繊維(44.3%)」に続き、3位が「たんぱく質(41.2%)」という結果となりました。特に健康に対して情報感度の高い女性の場合は、順位は同じであるものの、「たんぱく質」の割合が51.7%と高く、2人に1人が普段から意識して「たんぱく質」を摂取していることが分かりました。
『たんぱく質を摂りたい理由』の調査では、健康や美容を目的とした理由が上位を占めています。アスリート=プロテインという印象が薄れ、「たんぱく質」は健康や免疫力の向上に欠かせない栄養素としての認識が高まっていることがわかりますね。
「たんぱく質」を摂るのは難しい!?
一方で、美容や健康への情報感度が高い女性でも約70%が「たんぱく質を摂るのは大変」だと感じている結果も出ています。
理由としては、脂質やカロリーが気になったり、食べ過ぎてしまうことなどが挙げられています。肉や魚、牛乳、卵、大豆などからたんぱく質を摂取しようとすると、脂質やコレステロールなど余分なものも同じく摂取することになり、悩ましい問題でもありますね。
また、「何から摂れば良いのか分からない」、「自分に何のたんぱく質が足りていないのか分からない」という理由も3位、4位に挙げられており、たんぱく質の重要性はわかっているけれど、そもそもたんぱく質の上手な摂り方が分からないという人が多いことも結果として出てきました。
「たんぱく質を摂る場合、どの食品から摂るようにしているか」を聞いたところ、1位は「肉・魚・卵・牛乳などの動物性たんぱく質(28.5%)」、2位「特に意識していない(26.7%)」、3位「植物性も動物性もどちらも積極的に摂るようにしている(24.3%)」という結果が出ました。筋肉ブームの影響から、動物性たんぱく質の印象が未だ強いのかもしれないですね。
植物性、動物性たんぱく質のダブル摂取が効果大
大豆や小麦、ブロッコリーなど植物から摂ることができるたんぱく質のことを<植物性たんぱく質>と呼び、肉や魚、牛乳など動物から摂ることができるたんぱく質のことを<動物性たんぱく質>と呼んでいます。このような基本的な情報を提示した上で「たんぱく質をどう摂取するのが理想的だと思うか」を聞いたところ、74.5%もの人が「植物性も動物性も両方を摂るようにしたい」と回答しました。正確な知識が広がれば、今後はどちらも摂取するという選択をする人が増えてくると予想されます。
神奈川工科大学 応用バイオ科学部栄養生命科学科 非常勤講師 佐々木 一先生によると、「<植物性たんぱく質>である大豆たんぱく質は、美容に嬉しいイソフラボンや食物繊維も一緒に摂れます。最新の研究では、動物性たんぱく質と一緒に摂ると筋委縮を抑える働きが確認されています。<動物性たんぱく質>であるホエイたんぱく質やカゼインたんぱく質は、体内で作ることができない必須アミノ酸がバランス良く含まれており、筋肉合成を活性化するロイシンも含んでいます。特にホエイたんぱく質は、サルコペニアの原因となる炎症を抑制することで、筋肉の再合成をサポートしてくれます」と話されている通り、<植物性たんぱく質>と<動物性たんぱく質>は一緒に摂ることで、相乗効果が生まれ、健康な体作りがしやすくなるのです。
お肉や魚料理に合わせて、大豆やお豆腐、旬のアスパラガスなどを組み合わせて、ぜひ植物性、動物性たんぱく質のダブル摂取を心がけてみてください。効率的に摂取するには、サプリなどの活用も有効ですよ。
春は体調が不安定になりやすい季節。日々の食事からたんぱく質を始めとした栄養分を体に行き渡らせて、免疫力を上げていきましょう。免疫力のバリアーが不調を軽くはねのけてくれるはずですよ。