■国民年金保険料・厚生年金保険料等の免除等申請手続き
国民年金保険料や厚生年金保険料など、社会保険料の支払いが滞ると、年金受給の資格要件を満たせず、老後やいざというときに給付を受けられないケースもあり得ます。そこで、被災時に一時的に社会保険料の負担ができない場合には、所定の手続きにより、保険料支払いの免除申請を行っておくと将来の給付を確保できることがあります。
(C)2019 NPO法人 日本FP協会
国民年金保険料を未納のまま放置すると、将来の「老齢基礎年金」や、いぎというときの「障害基礎年金」、「遺族基礎年金」を受け取ることができない場合がありますので、保険料を納めることが困難な場合は必ず免除申請をするようにしましよう。
なお、国民年金保険料の免除期間は、年金受給資格期間には算入されますが、将来受け取る老齢基礎年金の年金額は保険料を全額納付した場合に比べ少なくなります。この免除期間分の保険料は、10年以内であれば、後から遡って納付(追納)することができます。
■国民健康保険料等の減免
災害によって国民健康保険料および後期高齢者医療制度の保険料の支払いが困難になった場合、状況によって保険料の支払いが減免されることがあります。また、窓口での一部負担金が免除される場合もあります。詳しくは住所地の自治体の窓口にご確認ください。
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■国税(所得税)の軽減措置
災害により住宅や家財などに損害を受けた場合、確定申告で、所得税の全部または一部を軽減することができます。最寄りの税務署または税理士にご相談、お間い合わせください。
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■公共料金等に関する特別措置
【電気およびガス料金】
災害救助法が適用された地域を対象に、料金の支払期限について一定期間延長される特別措置があります。また、被災時から全く電気・ガスを使用できない場合には、一定期間、料金が免除されます。
【上下水道】
料金の請求および自動振替が停止されている、基本料金が免除されている、通常どおりの扱いと同様等、各自治体により取扱いが異なっていますので、それぞれ、居住する自治体に確認してください。
【NTT電話料金等】
被災による設備故障、避難指示・避難勧告等によって電話が利用できなかった場合は、その期間の基本料金が無料となります。
※詳細は、各災害時および各地域の事業所等により異なることがあります。
被災時の相続・贈与に関する特例措置
相続または贈与により取得した財産が災害によって被害を受けた場合、被害の程度によっては災害減免法により相続税・贈与税が軽減されます。また、東日本大震災においては震災特例法により下記のような特例措置が講じられました。なお、ここでいう「特定土地等特定株式等」とは、取得時期が震災前であっても相続税贈与税の計算において被災後に下落した価額で評価される土地や株式のことです。
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特例のうち、「相続税・贈与税の課税価格の計算の特例」とは、被災により甚大な被害を受けた財産については、相続時または贈与時の価額から、土地や建物、自動車など被害を受けた資産の被害価額を差し引くことができるとするものです。特例の結果、被害を受けた財産の評価額が大きく減少し、税金の負担が軽減されることになります。
また、「相続税・贈与税の申告期限の特例」とは、震災をまたいだ相続税の申告および贈与税の申告の期限が、それぞれ延長されるというものです。
上記のほか、相続等に関する様々な相談については、「法テラス・サポートダイヤル(0570-078374)Jでも受け付けています。
※本記事はNPO法人 日本FP協会発行のハンドブック「災害に備える くらしとお金の安心ブック」から転載したものです。
協力:NPO法人 日本FP協会 https://www.jafp.or.jp/