近代日本画壇の巨匠、川合玉堂は明治6年(1873)、愛知県に生まれ13歳で京都の日本画家、望月玉泉に入門します。22歳で上京し、かねてより心酔していた橋本雅邦に入門しました。
師の雅邦亡きあとは、小堀鞆音・下村観山・山元春挙・竹内栖鳳・横山大観らと淡交会を結成するほか、晩年には横山大観・川端龍子との三人展を開くなど画壇の親交を深めました。
昭和19年(1944)、疎開で都下西多摩郡御岳(現・青梅市御岳)に移り、昭和32年(1957)83歳で逝去するまでこの地で創作を続けました。
玉堂が他界した際、日本画家の鏑木清方は「日本の自然が、日本の山河がなくなってしまったように思う」と嘆きました。

山種美術館で開催の「開館60周年記念特別展1 川合玉堂 ―なつかしい日本の情景―」は、数々の名作を残した玉堂の画業の足跡を、約70点の作品で辿ります。(5月16日~7月26日)
本展の見どころを、山種美術館の学芸員、竹林佐恵さんにうかがいました。
「山種美術館は本年開館60周年を迎えます。それを記念する特別展第1弾として、日本画家・川合玉堂の画業を振り返る展覧会を開催します。
山種美術館創立者の山崎種二(1893-1983)は、画家と直接交流しながら作品を蒐集しました。玉堂とも親交を重ね、その縁から当館の所蔵となった玉堂作品は71点を数え、コレクションの中で重要な位置を占めています。

玉堂は、円山・四条派の基礎の上に狩野派の様式を取り入れ、伝統的な山水画から近代的な風景画へと新たな境地を拓きました。また、東京画壇における中心的な役割を果たし、昭和15年(1940)には文化勲章を受章しています。

日本の山河をこよなく愛した玉堂は、四季の自然や田園風景とそこに暮らす人々を情感豊かに描きました。玉堂による古き良き日本の原風景ともいうべき世界は、見る者の郷愁を誘い、日本の自然の素晴らしさを改めて気づかせてくれます。
本展では、初期の代表作である《鵜飼》から、琳派研究を通じて誕生した大正期の《紅白梅》(玉堂美術館)、自然とともに生きる人々の姿を穏やかに描き出した玉堂芸術の真骨頂ともいえる《春風春水》や《早乙女》まで、名作の数々とともに、玉堂の画家としての足跡をたどります。また、身近な人々や動物を描いた作品など、玉堂の温かな人柄が感じられる作品にもご注目ください」

都心の美術館に広がる、日本の四季がおりなす自然の美しさ!! 会場でじっくりご堪能ください。
【開催要項】
開館60周年記念特別展1 川合玉堂 ―なつかしい日本の情景―
会期:2026年5月16日(土)~7月26日(日)
会場:山種美術館
住所:東京都渋谷区広尾3-12-36
電話:050・5541・8600(ハローダイヤル)
公式サイト:https://www.yamatane-museum.jp/
開館時間:10時~17時(入館は16時30分まで)
休館日:月曜日(ただし7月20日は開館)、7月21日(火)
料金:公式サイト参照
アクセス:公式サイト参照
※山崎の「崎」は正しくはたつさき。
取材・文/池田充枝











