明治8年(1875)、京都で生まれた松園は、幼い頃より絵を描くことを好みました。外形の美しさだけではなく、精神性を伴った自身が理想とする女性像を生涯かけて追求しました。

山種美術館で開催の「【特別展】生誕150年記念 上村松園と麗しき女性たち」は、松園の生誕150年を記念して、女性の美しさを追求した松園の魅力を余すところなく展観します。(5月17日~7月27日)

上村松園《蛍》 1913(大正2)年 絹本・彩色
山種美術館蔵

本展の見どころを、山種美術館の学芸員、南雲有紀栄さんにうかがいました。

「「一点の卑俗なところもなく、清澄な感じのする香高い珠玉のような絵こそ私の念願」と語った日本画家・上村松園(1875-1949)。この言葉どおり清らかで気品に満ちた松園の作品は、今も多くの人々を魅了し続けています。

上村松園《つれづれ》 1940(昭和15)年頃 絹本・彩色 個人蔵

今年、松園が生誕150年を迎えることを記念し、山種美術館では、松園の初期から晩年までの22点の優品や、直筆の手紙を展示し、画業を振り返ります。さらに、同様に今年生誕の周年130年を迎える小倉遊亀(1895-2000)や120年となる片岡球子(1905-2008)、さらには松園と同時代に活躍し「西の松園、東の清方」と謳われた鏑木清方らから現代の若手作家にいたるまで、さまざまな画家による、女性を描いた作品を展観する特別展を開催します。

小倉遊亀《舞う(舞妓)》 1971(昭和46)年 紙本金地・彩色 山種美術館蔵

松園は外面の美しさだけではなく、高い品格を伴った自身の理想とする女性像の表現を、生涯かけて追求しました。文展・帝展を中心に活躍して美人画の名手として評価され、73歳で、女性として初めて文化勲章を受章しています。

上村松園《牡丹雪》 1944(昭和19)年 絹本・彩色 山種美術館蔵

当館創立者の山﨑種二は、松園と親しく交流を重ねて作品を蒐集し、代表作《砧》や《新蛍》を含む日本有数の松園コレクションを築きました。本展を通じて、さまざまな画家が麗しき女性たちの姿を描いた、粒選りの名作をご堪能ください」

上村松園《砧》 1938(昭和13)年 絹本・彩色
山種美術館蔵

京都画壇・東京画壇の名だたる画家の美人画も楽しめます。ぜひ足をお運びください。

【開催要項】
【特別展】生誕150年記念 上村松園と麗しき女性たち
会期:2025年5月17日(土)~7月27日(日)
会場:山種美術館
住所:東京都渋谷区広尾3-12-36
電話:050・5541・8600(ハローダイヤル)
公式サイト:https://www.yamatane-museum.jp/
開館時間:10時~17時(入館は16時30分まで)
休館日:月曜日(ただし7月21日は開館)、7月22日(火)
※今後の状況により会期、開館時間等は変更する場合があります。
料金:公式サイト参照
アクセス:公式サイト参照

取材・文/池田充枝

 

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