周囲を海に囲まれ、海・山の広がる日本の豊かな自然は、ご当地ならではの四季折々の自然環境や身近な文化を背景に、私たちに多大な恵みをもたらしてくれます。

また、古くは中国や朝鮮半島、東南アジア、近世以降は西洋などの海外文化を取り入れながら、我が国独自の食文化を育んできました。

茨城県天心記念五浦美術館で開催の「企画展 グルメ展 ― 食、自然、豊かなアート ―」は、日本画を中心に、油彩画、水彩画、浮世絵などを含めた幅広いジャンルから、食に係る作品を紹介します。(7月26日~8月31日)

歌川広重「諸国名産 東都日本橋初物・東都大森漬物蒲田之梅・大山土産梅酢鎗麦藁細工・相州江の嶋産鮑かす漬貝細工」
天保(1830-44)中期 那珂川町馬頭広重美術館蔵

本展の見どころを、茨城県天心記念美術館の学芸主査、武石洋さんにうかがいました。

「おいしい料理を人と食べる時、人は皆、笑顔になります。その笑顔を見て周りの人も嬉しくなり、次第に笑顔の輪が広がります。

本展では日本画を中心に、食に係る作品を紹介します。それぞれの画家が対象とどう向き合い、どう表現したか、その多様性と豊かな個性をご覧ください。併せて、食材を生む背景となる茨城の豊かな自然環境と、人と人をつなぐ食の魅力を再認識する展覧会です。

小川芋銭「涼気流」 昭和12年(1937) 茨城県近代美術館蔵

茨城県南部に広がる水郷の情景を描いたといわれる小川芋銭(おがわ・うせん)「涼気流」、会食の情景を描いた東韶光「白卓」、待っていたクリームソーダが運ばれてきた時の歓喜が伝わってくる小田野尚之の「クリームソーダ」などが見どころです。併せて江戸時代に発刊された図書資料「料理通」や「素人庖丁」も紹介します。

小田野尚之「クリームソーダ」 平成16年(2004) 個人蔵

また、本展オリジナル「得得くり~むそ~だ・シール」を茨城県北部地域の「茨城県農林水産物取扱指定店」などで配布しています。このシールによる割引サービスを実施するなど、食を通して地域連携を図り「茨城の魅力」も再認識する展覧会になっています。

互井開一「卓上」 昭和34年(1959)頃 茨城県近代美術館蔵

風光明媚な地に立つ美術館でグルメ気分を満喫!! ぜひ会場にお運びください。

【開催要項】
グルメ展 ―食、自然、豊かなアート ―
会期:2025年7月26日(土)~8月31日(日)
会場:茨城県天心記念五浦美術館 展示室A
住所:茨城県北茨城市大津町椿2083
電話:0293・46・5311
公式サイト:https://www.tenshin.museum.ibk.ed.jp/
開館時間:9時30分~17時(入館は16時30分まで)
休館日:月曜日(ただし8月11日は開館)、8月12日(火)
料金:公式サイト参照
アクセス:公式サイト参照

取材・文/池田充枝

 

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