写真・文/矢崎海里

寒くなるにつれて気になるのが肌の乾燥。
冬は、気温や湿度の低下、寒暖差などによって肌に負担がかかり、さまざまな皮膚トラブルが起こりやすい季節でもあります。保湿クリームを塗る、加湿器などを利用して湿度を調整するなどの対策を行っている方もいるのではないでしょうか。
今回は肌の健康維持に役立つ栄養素の解説とレシピをご紹介します。食生活を整えて、からだの内側から乾燥対策をしていきましょう。
栄養バランスのとれた食事で内側から乾燥ケア
肌はさまざまな栄養素と関わりがあります。
ここでは肌を乾燥から守る、代表的な栄養素をご紹介します。
・たんぱく質
肌の主成分で、たんぱく質が不足すると肌トラブルが起きやすくなります。
肉や魚、卵や大豆製品を主食材とした料理を毎食1品摂るようにしましょう。
・ビタミンA
ビタミンAは皮膚や粘膜の健康維持に欠かせない栄養素です。
肌に潤いを与える役割もあります。
ビタミンAは脂溶性ビタミンなので、あぶらと一緒に摂ることで吸収率がよくなります。
緑黄色野菜などを意識して摂り入れましょう。
・ビタミンC
ビタミンCはビタミンAと同じく、肌に潤いを与えたり、コラーゲンの生成を促したりする栄養素です。
野菜はもちろん、今の季節はみかんやいちごなどのフルーツで補えます。
・ビタミンE
ビタミンEは血行を改善し、バリア機能を高める効果が期待されます。
ビタミンEは魚介やナッツ、たまご、野菜などに多く含まれています。
ビタミンAと同じくあぶらと一緒に摂ることで吸収率がアップ。
炒め物や揚げ物、ごま和えやマヨネーズ和えなど、あぶらを使った調理で効率よく補えます。
・良質な脂質
脂質の摂りすぎは肌に負担をかけるといわれていますが、極端に減らすと皮膚がカサカサになってしまいます。
さばやいわしなどの青背魚に含まれるDHAやEPA、ごま油に含まれるリノール酸など、不飽和脂肪酸を適度に取り入れるのがおすすめです。
ここからは今回ご紹介した栄養素を上手に取り入れた、冬にぴったりの簡単レシピをご紹介します。
はまちと緑黄色野菜のバター蒸し

【材料】(2人分)
はまち(刺身用) 8切れ
かぼちゃ(種を取ったもの) 100g
ブロッコリー 100g
ミニトマト 4個
★醤油 大さじ1
★酒 大さじ1
バター(有塩) 20g
【作り方】
1.かぼちゃは角切りに、ブロッコリーは小房に分ける。ミニトマトは半分に切る。
2.アルミホイルを20cm×2枚用意し、それぞれにはまち、1の野菜を等分にして中心に並べる。★の調味料を回しかけ、バターをのせる。

3.アルミホイルを閉じ、フライパンに乗せる。水100cc(分量外)を注ぎ中火で加熱し、沸騰したら弱火にしてふたをして10分蒸したら完成。

旬のはまちやブロッコリーを取り入れた、野菜も魚も補える一皿です。
具材をホイルに包んで蒸すだけなので、洗い物も少なくすみます。
はまちはぶりの幼魚で、含まれるビタミンEはぶりの2倍。
ほかにもたんぱく質や不飽和脂肪酸が含まれているほか、かぼちゃ・ブロッコリー・ミニトマトの野菜でビタミンA・C・Eをバランスよく摂れます。
この一皿でビタミンAは1日の推奨量の約1/4、ビタミンCは1日の推奨量の約3/4、ビタミンEは1日分が補えます。
エネルギー:286kcal
たんぱく質:16.7g
ビタミンA:230μg
ビタミンC:76mg
ビタミンE:7.7mg
食塩相当量:1.6g
* * *
紹介した栄養素を意識した食事だけでなく、睡眠時間を確保することも肌の健康には欠かせません。
寒い日が続きますが、暖房機器や寝具などを活用して、しっかり体を休めましょう。
文/矢崎海里(やざき・かいり)
管理栄養士やフードスペシャリストなどの資格を生かし、企業で働く傍ら、Webメディアでも活動。おいしく食べて健康になれるごはんを研究中。











