
「人生100年時代」と言われ、一般的な定年を迎える65歳を超えても働くシニア世代が増えています。ですが、立場や雇用形態が変わっても、若い人や新しい年下の上司への態度が変わらなければ、職場でのコミュニケーションがうまくいきません。シニア世代が働くうえで大切なのがビジネスマナーなのです。
1000人超の60〜75歳の派遣スタッフを持つ高齢社がこれまでの事例や経験をもとに監修した『人には聞けない60歳からのビジネスマナー』(宝島社)は初のシニア向けビジネスマナー本。職場でのマナーをアップデートし、長く楽しく働き続けたいものです。
今回は、いま現在、シニア世代が多く活躍している職種や、シニアに人気の資格をご紹介します。
監修/高齢社
シニア世代が活躍できる仕事
選択肢を広げるためには資格取得も一つの方法
シニア世代が多く活躍している主な「職種」を紹介します。
もちろん、ここで紹介する分野・職種とは異なる領域で活躍しているシニアもたくさんいるので、あくまでも参考例としてとらえてください。
なお、就職先の選択肢を広げるうえでは、シニア求人の多い分野・職種に関連した資格を取得するという選択肢もあります。その場合、資格を活用することで新たな仕事に挑戦しやすくなる、待遇面がよくなるといったことが期待できます。
高齢者に人気の資格は、「マンション管理士」「宅地建物取引士」「ファイナンシャルプランナー(FP)」「介護福祉士」「社会保険労務士」など多岐にわたりますが、もし、「どの資格を取ればいいだろう」と迷った場合には、「民間資格」よりも「国家資格」の取得を目指したほうが、認知度や信頼性が高いため、仕事につながる可能性も高まります。
シニア世代が活躍できる仕事(1) マンション管理人
コミュニケーション能力も必要
主にマンションの維持・管理にまつわる多様な業務や居住者対応を行う仕事です。点検や立ち合いなどの業務も多く、清掃を兼務する場合もあります。
住民間のトラブルがあった場合には、トラブル対応や仲裁役を求められるケースもあるため、一定のコミュニケーション能力や調整力などが求められる場合もあります。
とくにマンションの多い都市部やその近郊では、多くのミドル・シニア世代がマンション管理人として活躍しています。
資格がなくてもできる仕事ですが、国家資格である「マンション管理士」の資格を取得しておくと、就職や待遇面でより有利になります。
シニア世代が活躍できる仕事(2) 介護
シニアの特性が活かせる仕事
慢性的な人手不足に悩む介護業界も、シニア世代の採用に積極的な業種の一つです。
介護業界の仕事は、訪問介護員(ホームヘルパー)や介護福祉士、介護助手といった直接介護に携わる仕事のほか、ケアマネージャー、各種の事務や相談員、栄養士など、資格が必要なものから未経験ではじめられるものまで多岐にわたります。
また、近年は、介護施設の利用者を自宅や施設から送迎する「介護ドライバー」として活躍するシニアも増えています。
シニア世代は要介護者と年齢が近いためコミュニケーションがとりやすいということもあり、シニアの特性や人生経験が活かせる仕事といえるでしょう。
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人には聞けない60歳からのビジネスマナー
監修/高齢社
宝島社 1,650円(税込)
高齢社
定年退職後も健康で働く意欲の高い人の多さに着目し、2000年1月に会社設立。登録社員25名でガス会社やガス機器メーカーの請負業務からスタートし、2002年8月に一般労働者派遣事業許可の取得により、高齢者の人材派遣業務に本格進出。2025年2月現在、派遣登録者数は1000人を超え、業務内容も100種類以上と多岐にわたる。経営理念として下記の4つを掲げる。(1)定年を迎えても気力、体力、知力のある方々に、「働く場」と「生きがい」を提供していく。(2)働く人を大切にする(社員≧顧客≧株主の人本主義)。(3)豊富な経験を活かし、顧客には「高品質・低コスト・柔軟な対応力」を武器に優れたサービスを提供していく。(4)「知恵と汗と社徳」重視の企業風土を醸成する。
