かつて、英会話教室で一生懸命に学んだ英語。今ではスマートフォンやオンラインで手軽に学べるようになりました。インバウンドの影響で多くの外国人と接することが多くなった今、これからも英語を学んでいきましょう。
さて、今回ご紹介するのは「laugh one’s head off 」です。
目次
「laugh one’s head off 」の意味は?
「laugh one’s head off」の由来は?
「笑いのエネルギー」
最後に
「laugh one’s head off 」の意味は?
「laugh one’s head off 」を直訳すると、「laugh」は(笑う)、「head」は(頭)そして「off」は(離れる、外れる)の意味ですが…… 、そこから転じて
正解は……
「大笑いする」という意味になります。
『ランダムハウス英和辞典』(小学館)にも、「((話)) 大笑いする、笑い転げる」と書かれています。
不思議な言い回しですが、「大笑いする、笑い転げる」という意味の一般的な表現です。
「laugh one’s head off」の由来は?
この表現は、1747年に反逆罪で公に処刑された第11代ラヴァット卿、サイモン・フレイザーにまつわる逸話から生まれました。
陰謀家として知られるラヴァット卿は、処刑される前、ホラティウスの言葉を引用し、「祖国のために死すは甘美で名誉である(Dulce et decorum est pro patria mori)」と語りました。この日、反逆者の処刑を見ようと大勢の見物人たちが集まります。すると、見物人たちが立っていた足場が崩れ、多くの死者が出るという惨劇が起きました。
ラヴァット卿はその光景を目の当たりにし、大笑いしながら処刑されたことから、「laugh one’s head off」という表現が生まれたと言われています。
「笑い」に関する英語表現は他にもたくさんあります。ここでは「laugh one’s head off」に通じる二つの興味深い表現をご紹介します。
一つ目は、これもまた(大笑いする)という意味の「crack up」です。
たとえば、
I crack up every time I see it.
(見る度に爆笑してしまう。)
などと使われます。
「crack up」はもともと、物理的に何かが壊れたり、機械が故障する様子を表していました。19世紀後半には精神的な崩壊やノイローゼの意味を持つようになり、20世紀半ば以降、「(制御できないほど)大笑いする」という軽快な意味合いへと発展しました。
二つ目は、「in stitches」(腹がよじれるほど笑う)という表現です。「stitch」は(縫い目、ステッチ)や(急な痛み、差し込み)を意味します。もともとは脇腹の痛みを指す言葉でしたが、シェイクスピアの『Twelfth Night』(「十二夜」)に(腹がよじれるほど笑う)という意味で使われたフレーズが登場し、広まったといわれています。
His jokes left the cafe in stitches.
(彼の冗談でカフェ中が大笑いした)
というように使われます。
日本語でも「抱腹絶倒」や「腹筋崩壊」など似た表現がありますね。
笑いのエネルギー
先日、中学生の息子と初めて吉本新喜劇を観に行きました。大阪の劇場入口では、開演前から観光客が賑やかにグッズを買い求め、熱気で溢れています。劇場に入って席に着いて周りを見渡すと、老若男女さまざまな客層がいて、その光景に圧倒されました。修学旅行の学生たちや、丸刈りの野球部員たち。年配の女子会グループ。遠方からの人も多い様子です。私たちの前に座っていた50代くらいの男性4人組は、ビール片手に仲良く大声で笑い合っています。
期待も高まる中、幕が上がり漫才が始まると、前後左右から笑いの渦が巻き起こりました。前席の男性が席から転げ落ちるほど笑っている姿を見ながら、私たち親子も顔を見合わせ涙が出るほど大笑いしました。全身に響く笑い声の渦に包まれていると、高揚感とともに、心が浄化されたような清々しい気持ちになりました。
最後に
いかがでしたか? 不思議な由来を持つ「laugh one’s head off」(大笑いする)という表現。「大笑い」には、疲れやストレスを吹き飛ばし、その場の空気を一瞬で明るくする力があるように感じます。みなさんも、疲れたなと思った時は、ぜひ大笑いしてください。
次回もお楽しみに。
●構成/京都メディアライン・https://kyotomedialine.com