結婚式といえば洋装のイメージが強いものですが、近年は和装ウェディングの人気も高まっています。白無垢や色打掛は婚礼時にしか着る機会がない衣装だからこそ、「我が子に和装を着て欲しい」と願うご両親も多いのではないでしょうか。
カジュアルな結婚式が増えてきた近年でも、伝統的な和装での結婚式は根強い人気があります。その中で流行を取り入れつつ今風にアレンジを加えたものなど、目新しい印象を与える演出も存在します。
この記事では、和婚の披露宴を華やかに彩る演出をご紹介していきましょう。
目次
和装披露宴の入退場で盛り上がる演出
定番で盛り上がる和装披露宴の演出
華やかな披露宴を演出するアイデア
和装披露宴にぴったりな特別な演出
最後に
和装披露宴の入退場で盛り上がる演出
披露宴の入退場時には、和装ならはの伝統を感じる演出を取り入れる方が多く見受けられます。ここでは、入退場時に盛り上がる演出をご紹介します。
番傘や人力車を使った華やかな入場
前撮りなどでもよく使用される番傘は、「降り注ぐ苦難から身を守る」や「同じ屋根の下で末長く暮らす」との意味が込められているといわれています。赤や青の華やかな番傘を使用する演出は、和装での入場シーンにぴったりです。
会場によっては、人力車に乗って登場する演出が可能なところもあります。珍しいので、ゲストの記憶に残る演出となるでしょう。
折り鶴シャワーでゲストからの祝福
折り鶴シャワーとは、挙式中の演出である「フラワーシャワー」のように、折り紙の鶴で新郎新婦を祝福する演出です。鶴は平和や長寿の象徴とされており、婚礼の場にふさわしいものです。披露宴であればお色直し時の入退場時に採用されます。
受付時にゲストに折り紙を配っておき、折ってもらったものをシャワーとして使用するアイデアもあります。大量の折り鶴を希望する場合は、ご両親が手伝って事前に作成されているケースも見受けられます。
定番で盛り上がる和装披露宴の演出
披露宴では新郎新婦メインの演出もありますが、両家の両親を巻き込んでの共同作業が人気です。
近年の考え方として「結婚=家同士の繋がりのためのもの」ではありませんが、これからの新郎新婦の生活に両家の協力は欠かせません。ご両親は共同作業の演出を通し、「これからは両家が協力して新郎新婦を支えていく」一体感を感じられるでしょう。
ここでは、定番の和装披露宴の演出をご紹介します。
鏡開きで全員が楽しめるスタート
鏡開きとは、酒樽を木づちで割る演出のことです。「樽を開ける=運が開ける」という意味が込められています。「よいしょよいしょ」と会場全体で声かけし、一体感を持って披露宴のスタートをきることができる和装定番の演出です。両家初めての共同作業となることも多く、「これからどうぞよろしくお願いします」と願いを込めて楽しみましょう。
餅つきでゲストも参加型の演出
餅つきには「末永いお付き合い」や「粘り強い絆」という意味があるといわれています。新郎新婦のみで行なわれるケースもありますが、両家の親やゲストを指名し一緒に餅をつくのも盛り上がるでしょう。料理の最後につきたての餅を食べられるのも魅力的です。
水合わせの儀で夫婦の絆を深める
水合わせの儀とは、新郎新婦がそれぞれの実家の水を汲み、一つの杯に注ぎ合わせ、その水を飲む儀式です。異なる環境で育った人間が一つの家族となり、「新しく幸せな家庭を築けるように」という意味が込められています。伝統的な盃を使用すれば、年配のゲストからも喜ばれるでしょう。今風にアレンジして、水ではなく新郎新婦の地元のジュースなどが使用されることもあります。
華やかな披露宴を演出するアイデア
ここでは披露宴に華を添えてくれるような、華のある演出アイデアをご紹介します。
升タワーで華やかさをプラス
シャンパンタワーの和装版で「升タワー」という演出があります。たくさんの升にお酒を注ぐ演出は、お酒好きな方には嬉しい演出です。新郎新婦が務めている会社のロゴや、ゲストの名前入り枡を作成しておけば、プチギフトとして持ち帰っていただけます。
ちらし寿司入刀で和の要素を楽しむ
披露宴の演出では定番のウェディングケーキ入刀ですが、和婚ではケーキの代わりに「大きなちらし寿司や押し寿司」を用意することあります。ナイフではなくしゃもじで入刀すれば、和の雰囲気にぴったりです。
ちらし寿司に入っている具材にはそれぞれ意味があり、「えび=腰が曲がるまで長寿に」「れんこん=未来の見通しがよくなる」「豆=マメに働く」のように婚礼の場にふさわしい意味があります。入刀後はゲストに振舞うことができ、皆に喜ばれる演出です。
扇子プルズでゲストにプレゼントを
「ブーケプルズ(ブーケにつけたリボンを引く演出のこと)」や「ブーケトス」の和装版が「扇子プルズ」というものです。新婦が数本のリボンを持ち、その中の1本だけ扇を結び付けておきます。指名したゲスト数名がリボンを引き、扇のついたリボンを引いた人が当たりで、扇を贈ります。幸せのおすそわけとして形で残る、珍しい演出です。
和装披露宴にぴったりな特別な演出
定番の演出も、工夫を加えることで和の雰囲気になります。ここでは、和装披露宴におすすめの演出をご紹介します。
和太鼓の生演奏で中座を盛り上げる
お祭りならではの和太鼓の音色は、おめでたい雰囲気をさらに高めてくれるでしょう。新郎新婦の再入場を待つ間の定番といえばムービー上映ですが、ゲストへのサプライズで取り入れるのも面白いです。稀に親御さんが特訓を重ね、サプライズで演奏されることもあります。
和のアイテムを取り入れた料理演出
定番のデザートビュッフェに代わり、目の前で寿司職人が握る「寿司ビュッフェ」や「和菓子ビュッフェ」、「お茶漬けビュッフェ」など、和を感じる料理の演出はどの層のゲストからも喜ばれる演出です。体の不自由な人や年配のゲストがいる場合は、さりげなく親がサポートし、配膳するなど心がけましょう。
落語家を司会に迎えてユーモアを加える
落語は日本の伝統的な文化ですが、生で聞いたことがある方は少数派でしょう。和婚ならではの貴重な体験は、幅広い世代のゲストにとって特別な経験になります。
婚礼がテーマの落語の披露や、「披露宴とかけまして、~ととく。その心は……」のようなテンポのいい司会にゲストは引き込まれます。笑いが起きることで披露宴の雰囲気が和らぎ、会場の一体感が生まれる演出です。
最後に
和装での披露宴を希望する場合は、一般的に会場の選択肢は「神社の会館」「ホテル」「結婚式場」のいずれかになります。会場によっては、ここでご紹介した華やかな演出などは取り入れず、シンプルな披露宴のみ行なわれているところもあります。披露宴を華やかにしたいのか、厳かにしたいのか新郎新婦の意向を重んじ、ゲストの顔ぶれを考慮しながら親子で相談して決めていきましょう。
結婚式当日に立派な和装姿の我が子を見ることは、この日を迎えるまでの子育ての日々を思い返すことでしょう。和婚ならではの演出を親子で楽しみ、一生の思い出となる一日をお過ごしください。
監修/トップウエディング https://top-wedding.jp/
執筆/吉川沙織(京都メディアライン)
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