日本には、心和む「手みやげ」という言葉がある。文字通り、手に提げて持参する贈り物のこと。贈答品をデパートやお店などから宅配便で送ることが増えた昨今だが、手から手へと渡される贈り物「手みやげ」には、また格別の趣がある。
そんな温かさのある手みやげだが、ついつい買った店の紙袋に入れて持参してしまうことが多くなる。決して失礼なことではないが、ここでひと手間。ぜひとも提案したいのが、風呂敷を使うことだ。
一枚の四角い布でありながら、包む、運ぶ、まとめる、保護するなど、様々な役目を果たす風呂敷の用途は広い。しかも、四角や平たい箱ものだけでなく、丸い筒や瓶ものなど、どんな形のものでも自在に包むことができるのだから素晴らしい。
そんな風呂敷の基本の結び方である「ま結び」と、それを使った3つの包み方を紹介しよう。どれも知っておけば手みやげに使えそうな便利な包み方だ。
■まずは基本の「ま結び」の結び方
結び目がきれいにつくれると、包み全体の姿も見栄えがよくなるもの。まずは、ほとんどの包み方で使える「ま結び」をマスターしておこう。
■基本の包み方1:お使い包み
最も一般的で、あらたまった場面でも日常でも使える便利な包み方だ。
■基本の包み方2:平包み
結び目をつくらない、フォーマルな包み方。目上の方や、年始のご挨拶の品を持参するときにこの包み方がおすすめ。
■基本の包み方3:ビン包み
びんなどの長いものをつり下げて持ち運べる包み方。お気に入りのワインや日本酒の手みやげに、ぜひとも使いたい。
以上、風呂敷の基本の結び方と、包み方を3つご紹介した。
風呂敷の結び目をゆるりと解いて包みを開き、どうぞ、と贈り物を差し出す。その瞬間に通い合う、贈り手と受け手の心。美しい姿形の風呂敷包みで、年末年始の挨拶の贈り物を手渡したい。
【参考リンク】
※ 日本風呂敷協会
http://www.japan-furoshiki.jp/
※ 京都「宮井」
http://www.miyai-net.co.jp/index.html
文/堀けいこ
画像協力/日本風呂敷協会、京都「宮井」(ふろしき)