取材・文/ふじのあやこ

写真はイメージです。

昭和、平成、令和と時代が移り変わるのと同様に、家族のかたちも大家族から核家族へと変化してきている。本連載では、親との家族関係を経て、自分が家族を持つようになって感じたこと、親について、そして子供について思うことを語ってもらい、今の家族のかたちに迫る。

NPO法人ファザーリング・ジャパンでは、改正育児・介護休業法の施行から1年間の効果を検証する意図を含め、2022年4月以降に生まれた子どもを持つ20歳以上の男性を対象に「隠れ育休調査2023」を実施(実施日:2023年4月17日〜19日、有効サンプル数:1030)。調査結果では「会社に妊娠・出産を報告した後、会社から育休制度の周知・育休取得意向の確認はされたか?」という質問に対して「会社から確認されておらず、自分からも確認していない」と回答した人は34%にも上った。

2022年の調査でも上記のような結果となっており、昔はさらに男性の育児への意識は低かったことが予想される。しかし、周囲からの“男性は子育ての役に立たない”というレッテルから子育てに参加させてもらえなかった男性もいる。今回お話を伺った、翔平さん(仮名・39歳)は遅くにできた子どもを溺愛しており、積極的に育児に関わりたかったが、「家族がそうさせてくれなかった」と語る。【~その1~はコチラ

妻の家族が揃って父親を排除してくる

何度も説得を重ねて妻が里帰り出産から帰ってきたときには、子どもは生後4か月。翔平さんはそこから積極的に子育てに参加するつもりだったが、義母が平日のほとんどで子育てを手伝いに来るようになり、「(子育ては)私たちがするから」と蚊帳の外だったという。

「本当に、妻子がただ帰って来ただけでした。妻と子が義実家で暮らしていた頃とただ住む場所が変わっただけ。自分の家のはずなのに、義母が週の半分は泊まりに来るようになり、家の居心地は最悪でした。

私がおむつ替えやお風呂など子育てに参加しようとすると、『お父さん(翔平さん)がそんなことをする必要ない』と義母に言われていました」

義母が泊まってまで帰らないのは妻がお願いしていたから。子育てに参加したいことを妻に訴えると、妊娠時期の不満をぶつけられてしまう。

「病院で実施されていた両親学級(父親になるための自覚を促すことを目的に実施されているプログラム)に仕事の都合で参加できなかったんです。私の仕事は週休2日制だったのですが、祝日が入った週はその土曜日が出勤になってしまって。そのことを妻に指摘されて、『あのときから父親になるという自覚がないくせに』と言われてしまいました」

【夫婦で育児を行うには妻の意識改革も必要次ページに続きます】

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