取材・文/ふじのあやこ
日本の非婚化が進行している中でも、離婚を経験後にもう一度結婚に向かう人たちもいる。今回は再び家族を求める人たちに、その理由を伺った。
晴香さん(仮名・36歳)は24歳のときに授かり婚をする。子どもができたことがわかる約半年前に義父は亡くなっており、義母に妊娠を伝えると「お父さんの生まれ変わり」と孫の誕生を喜んだという。【~その1~はコチラ】
妊娠中に義母が棲みついていた
感染症が原因の切迫早産により約2か月の入院期間を経て、無事に男の子を出産した晴香さん。産後の入院を経てわが家に戻ったときには、家は大幅に模様替えされていた。
「2人の新居は夫の勤め先からアクセスが良いところのマンションなんですが、授かり婚だったので子どもの部屋も含めて3LDKと広いところを借りていました。夫は繁忙期には朝早かったり夜遅くなったりすることもあるからと寝室は分けていたんです。
家に戻ってくると、私の部屋がなくなり、夫の部屋に私の私物が移動されていました。元私の部屋には、義母の荷物がギチギチに入っていました」
退院には夫が迎えに来てくれており、義母は手芸教室やボランティアの集まりに行っていて留守。義母が用意してくれたというベビーベッドに子どもを寝かし終えてから、夫を問いただしたという。
「夫は『母さんをあのままずっと一人にはさせられないし、子育ても手伝ってくれるし、一石二鳥じゃん』と。なんでそこまで怒っているのかわからないという顔をしていました。何度も同居は嫌だと訴えると『じゃあ自分で母さんに嫌だって言えよ!』と怒鳴ってきました。
義母はそんな夫婦の険悪なムードにも気づかず、帰って来てからは甲斐甲斐しく子どもの世話をしてくれて、私は一切キッチンにさえ入れさせてくれません。母乳をあげたら『もう休みなさい』と子どもを奪いました。
そんな生活を少しは我慢したのですが、どうしても耐え切れず家を飛び出したんです。親権については難航して調停にまで至りましたが、私は妹の旦那の紹介で仕事を見つけており、姉や妹のサポートが受けられる状態だということで勝ち取ることができました」
【幸せと思える家族にやっとたどり着いた。次ページに続きます】