新型コロナウィルス感染症が猛威を振るい、いつ健康が脅かされるか予測不能な今、免疫力を高めることが重要です。免疫力を上げるには、食生活を整えることが欠かせません。そこで、もち麦ごはんと味噌汁をベースに“簡単・おいしい・栄養満点”のレシピを紹介している書籍『慈恵大学病院の食べる「免疫力」 』から、腸の調子を整え免疫力を上げる料理のレシピをご紹介します。
監修/東京慈恵会医科大学附属病院 栄養部 写真/西山航
食物繊維が豊富なもち麦を、毎日の食事にプラス
もち麦は麦ご飯にしていただくだけ、という方はいませんか。もち麦の食材としてのポテンシャルはかなりのモノで、ハンバーグのつなぎから、餃子や春巻きの具に、スープではクルトン代わりにしてモチモチ・プチプチ食感が楽しまれています。もち麦はまとめてゆでて冷凍保存し、いろいろな料理に活用するといいですね。免疫力は急に身に付くものではありません。毎日の食事に、当たり前のようにもち麦を加えることで、健康なカラダが作られていきます。
もち麦入りハンバーグ
【材料】(1人分)
玉ねぎ 小1/2個(80g)
a牛挽き肉 80g
a豚挽き肉 10g
aゆでもち麦(※1) 20g
a卵(溶く) 小さじ2(10g)
aパン粉 小さじ2弱(5g)
a塩 少々
aナツメグ 少々
bトマトケチャップ 大さじ2(30g)
bウスターソース 小さじ2と1/2(15g)
オリーブオイル 適量
さやいんげん 適量
1.玉ねぎはみじん切りにしてフライパンに入れ、オリーブオイルでじっくり弱火で炒めたら、粗熱を取る。
2.ボウルにaと1を入れ、全体をこねてハンバーグのたねを作る。
3.2を好みの形に成形し、フライパンにオリーブオイルをひいて焼く。
4.bを合わせて別鍋で温め、ソースを作る。
5.器に3を盛り、ゆでて3cmの長さに切ったさやいんげんを添え、ソースをかける。
【免疫ポイント】肉のたんぱく質の一種、アルブミンが免疫力を高める。
タブレ風・もち麦サラダ
【材料】(1人分)
好みの野菜(※2) 100g
くるみ(ロースト) 15g
レーズン 10g
ゆでもち麦(※1) 30g
好みのドレッシング 大さじ1(15g)
※2 写真の野菜は、プチトマト3個(縦に半割り)、きゅうり1/3本(半月切り)、ブロッコリー(小房に分けてゆでる)30g、紫キャベツ(千切り)10g。
1.ボウルに好みの野菜とくるみとレーズン、ゆでもち麦を入れ、混ぜる。
2.ドレッシングであえ、味を調え、器によそう。
【免疫ポイント】くるみの豊富なポリフェノールとβ-グルカンで腸内環境を改善。
鶏とキャベツのスープ・豆乳仕立て
【材料】(1人分)
鶏むね肉 30g
キャベツ 1/2枚(50g)
玉ねぎ 1/10個(約20g)
水 125ml
顆粒コンソメ 小さじ1
豆乳(成分無調整) 75ml
ゆでもち麦(※1) 20g
塩、胡椒 各少々
パセリ 適量
1.鶏むね肉、キャベツ、玉ねぎは1cm角に切る。
2.鍋に1と水、顆粒コンソメを入れ火にかける。沸騰したら中火にする。
3.豆乳とゆでもち麦を加え、塩、胡椒で味を調え、器に盛る。パセリのみじん切りをのせる。
【免疫ポイント】豆乳のオリゴ糖とβ-グルカンで善玉菌を元気にする。
※1 ゆでもち麦の作り方
もち麦がいつも身近にあって、すぐに食べられる状態になっているとうれしいですね。そこで活躍するのが「ゆでもち麦」です。週に一度まとめてゆでて冷凍保存しておけば、さまざまな料理に使うことができます。
1.3倍増を念頭に多めのお湯で煮る
多めの水を沸騰させもち麦を加える。ゆでもち麦はかさが3倍ほどに増えるので水の分量に注意。
2.ときおりかき混ぜながらゆでる
15 ~ 20 分ゆでる。下味を付ける場合は水1L に対して小さじ1/2 の塩を加えてもよい。
3.膨らんで中心部が透明になったらOK
もち麦の中心部に透明感が出てきたら味見をして好みの食感になったら、ざるにあける。
4.流水で洗いぬめりを取る
流水を注ぎ、手で混ぜながら表面のぬめりを取り除けばできあがり。
5.保存は空気に触れない保存袋で
ゆでもち麦の水分をきったら小分けにしてジッパー付き保存袋などに入れる。
6.区分けして冷凍保存する
保存袋に入れたゆでもち麦を平らにならし、菜箸などを袋の上から押しつけ区分けする。そのまま冷凍保存する と、次に必要な分だけ折り割って使える。冷凍なら2 週間ほど保存が利く。
* * *
『慈恵大学病院の食べる「免疫力」 』
(東京慈恵会医科大学附属病院 栄養部 監修)
世界文化社
【監修】
濱裕宣(はま・ひろのぶ)
東京慈恵会医科大学附属病院栄養部課長。給食栄養管理と臨床栄養管理をバランスよく機能させ、患者の立場に立った食生活の向上指導にあたる。『慈恵大学病院のおいしい大麦レシピ』『その調理、9割栄養捨ててます!』など、同病院栄養部監修による多数の健康レシピ本に関わる。
赤石定典(あかいし・さだのり)
東京慈恵会医科大学附属病院栄養部管理栄養士。栄養食事指導によって、病態改善・治療・治癒への貢献を目指す。同病院栄養監修の多数の健康レシピ本のプロジェクトリーダーとして活躍。栄養素の最大活用を考えた身近なレシピには定評がある。