現代の子供たちの生活は、昔と比べて便利な反面、価値観の大きな変化や、人間関係の希薄さなど、違いを大きく感じる場面も多いものです。
ひまわり教育研究センター(https://www.himawari-child.com/center/profile.html)が、2022年2月、現役東大生220人に、子供の頃の過ごし方について複数のアンケート調査を行いました。その中から「あなたが一番尊敬する人」「今のあなたになるのに一番影響を受けた人」についての調査結果をご報告いたします。現役東大生に影響を与えた人とは、どんな人物が挙げられるのでしょうか。
尊敬する人は誰ですか?
現役東大生220人に「あなたが一番尊敬する人は誰ですか?」という質問をしたところ、一番多かった回答は「親」(75人、34.1%)でした。次に多かった回答は、「友達」(25人、11.4%)、「歴史上の人物」(25人、11.4%)、「先輩」(24人、10.9%)でした。「尊敬する人はいない」という回答は、16人(7.3%)いました。
身近な人物である「親」や「友達」、「先輩」などを挙げた現役東大生は合わせて69.6%いました(「親」34.1%、「兄弟、姉妹」5.9%、「学校や習い事の先生」7.3%、「友達」11.4%、「先輩」10.9%)。それに対して、「歴史上の人物」「研究者として活躍している(いた)人物」などの、身近でない人物を挙げた現役東大生は20.5%でした(「歴史上の人物」11.4%、「研究者として活躍している(いた)人」6.8%、「経営者として活躍している(いた)人」2.3%)。
男女別に比較すると、一番多かった回答は男女共に「親」(男子35.9%、女子32.7%)でした。
男子が女子よりも多かった回答としては、「兄弟・姉妹」(男子7.6%、女子4.0%)、「先輩」(男子12.3%、女子7.9%)でした。男子が尊敬している人物として挙げる対象には、年齢の近い仲間に傾向があるようです。
一方の女子が男子よりも多かった回答は、「学校や習い事の先生」(男子5.7%、女子9.9%)、「経営者として活躍している(いた)人」(男子0.9%、女子3.0%)でした。対する女子の傾向としては、身近にいた大人が挙げられるようです。
影響を受けた人は誰ですか?
次は、同じ現役東大生に対して「現在のあなたになるのに一番影響を受けたと思われるのは誰ですか?」という質問をしたところ、一番多かった回答は「親」(70人、31.8%)でした。
次に多かった回答は、「学校や習い事の先生」(25人、11.4%)、「友達」(25人、11.4%)でした。「影響を受けた人はいない」という回答は21人(9.6%)でした。
この質問においても、「親」「友達」などの身近にいる人を挙げる現役東大生は69.2%いました(「親」31.8%、「兄弟・姉妹」7.3%、「学校や習い事の先生」11.4%、「友達」11.4%、「先輩」7.3%)。「歴史上の人物」「研究者として活躍している(いた)人」など、身近ではない人を回答した現役東大生は、18.6%でした(「歴史上の人物」7.7%、「研究者として活躍している(いた)人」7.7%、「経営者として活躍している(いた)人」3.2%)。
男女別に比較します。男女共に一番多かったのは、「親」(男子26.4%、女子37.4%)でした。
女子に比べて男子が多かった回答は、「兄弟・姉妹」(男子11.3%、女子4.0%)、「友達」(男子15.1%、女子8.9%)でした。男子が大きな影響を受けた人物とは、先程の質問と同様に年の近い仲間が挙げられています。
逆に、男子に比べて女子が多かった回答は、「親」(男子26.4%、女子37.4%)、「先輩」(男子5.7%、女子9.9%)でした。女子は、身近にいる目上の存在から影響を受けている人が多いようです。
身近な人の存在感
「尊敬する人」「影響を受けた人」のどちらの質問にも70%近い現役東大生が「親」や「友達」などの身近にいる人物を挙げていることがわかりました。
男女の違いに着目すると、「尊敬する人は誰か」の質問に「親」と回答したのは女子に比べて男子の方が若干多く、一方の「影響を受けた人は誰か」の質問に「親」と回答したのは、女子に比べて男子の方が11%も少なかったのは興味深い結果となりました。
また、「尊敬する人は誰か」の質問に対して「友達」と回答したのは、男子に比べて女子の方が若干多かったのですが、「影響を受けた人は誰か」の質問に「友達」と回答したのは女子に比べて男子が多い結果となりました。どちらの質問にも「兄弟・姉妹」と回答した現役東大生は女子よりも男子が多かったのですが、兄弟の有無を調査していないため今回の調査だけで結論付けることができませんでした。今後の調査が期待されます。
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現在はYouTubeやSNS媒体、メディアなどを通して、多種多様な活躍をする人物の考えや人となりに触れることができます。そんな環境においても、現役東大生にとっては親や友人関係、学校や習い事の先生など、直接触れ合える身近な存在がロールモデルであり、一番影響を与えた存在であったことがわかりました。時代は変わっても身近な人物とのふれあいが、成長にとって大切なことには変化がないようです。
調査概要
調査実施機関:ゼネラルリサーチ株式会社
調査時期:2022年2月17日〜2月19日
アンケート設計:イノベーションシステム株式会社「ひまわり教育研究センター」
調査方法:インターネット
調査対象者:現役東大生220名
内訳:「男子」106名、「女子」101名、「回答したくない」13名
「文系学部」は81人、「理系学部(医学部以外)」は74人、「医学部」65人