どうしても仕事のやる気が出ないときってありますよね。プライベートで心配事があるせいで気分が乗らない人もいれば、会社や同僚に不満があってやる気をなくしている人もいるかもしれません。
そこで今回、株式会社ビズヒッツ( https://bizhits.co.jp/ )が運営するビジネス上の問題解決を考えるメディアBiz Hits( https://bizhits.co.jp/media/ )は、20代の働く男女500人に「仕事のやる気が出ないとき」についてアンケート調査を実施し、結果をランキング形式でまとめました。さっそく、ご紹介しましょう。
調査概要
調査対象:20代の働く男女
調査日:2021年12月23日~2022年1月5日
調査方法:インターネットによる任意回答
調査人数:500人(女性330人/男性170人)
仕事のやる気が出ないときがある人は91.0%
20代の500人に「仕事でやる気が出ないときがありますか?」と聞いたところ、回答は以下のようになりました。
「ある」と答えた人が91.0%で、圧倒的多数になりました。頻度や程度の差こそあれ、ほとんどの20代が「仕事のやる気が出ない」という経験をしているとわかります。
仕事のやる気が出ない1位は、寝不足・疲労などで「体調が悪いとき」
「どんなときに仕事のやる気が出なくなりますか?」と聞いたところ、回答は以下のようになりました。上位10位までをランキング形式で紹介します。
1位は「体調が悪い(100人)」でした。2位以下は「仕事がうまく進まない(81人)」、3位「やりたくない仕事をしている(76人)」、4位「怒られた(62人)」、5位「人間関係に問題がある(60人)と続きます。やる気が出ない要因は大きく分けて「自分」「職場の上司・同僚」「仕事そのもの」となっています。
では6位以降のランキングの解説も含めて、具体的な回答を紹介します。
1位 体調が悪い
・疲れているときや、前日によく眠れなかったとき(22歳 女性)
・睡眠不足が続くときは、集中力が出ずに朝からやる気がない(24歳 男性)
・体調が優れないときや睡眠不足のとき(28歳 女性)
「寝不足」「疲れが溜まっている」といった意見が目立ちました。「休むほどではない体調不良がツライ」という人も。体調が悪いと仕事に集中できず、やる気も起こりにくいですよね。また女性からは、「生理や生理前の体調不良時にやる気が出なくなる」との回答も多く寄せられています。
2位 仕事がうまく進まない
・急な案件や仕事が入って予定が崩れてしまうと、やる気が出なくなります(23歳 男性)
・思うような成果が出ないときは、一時的にやる気が落ちます(25歳 女性)
・仕事で大きなミスをしたとき(28歳 男性)
「スケジュール通りに進まない」「成果が出ない」「ミスをした」などの回答が寄せられています。几帳面に仕事に取り組む人ほど、仕事がうまく進まないと落ち込んでしまいそうです。「うまくいかないこともあるよな」と気持ちを切り替えるのは、なかなか難しいですよね。
3位 やりたくない仕事をしている
・苦手な業務を任されたとき(22歳 女性)
・クレーム処理など憂鬱になるようなことがあるとき(25歳 男性)
・「無駄な仕事をやっているな」と思ったとき(29歳 女性)
組織で働いていると「好きな仕事だけやっていればいい」というケースは少ないですよね。苦手な業務や手間のかかる業務などは、仕事とはいえ「嫌だな、やりたくないな」と思ってしまいますよね。また「やりがいを感じない仕事だからやる気が起きない」という声もありました。
4位 怒られた
・自分は悪くないのに上司に怒られたとき(22歳 女性)
・みんなの前で怒られたとき(27歳 男性)
・上司やお客さんに理不尽な怒られ方をしたとき(29歳 女性)
とくに「人前で怒られた」「自分は悪くないのに怒られた」など、「怒られ方に納得がいかないときにやる気がなくなる」という回答が目立っています。怒られ方に納得できないとストレスがたまりますし、上司や同僚への不信感にもつながりかねません。「怒られると、翌日出勤するときにやる気がなくなる」など、怒られたことを引きずってしまう人も複数いました。
5位 人間関係に問題がある
・仕事上で関わる相手が自分とは合わないと感じたとき(20歳 女性)
・人間関係で嫌なことがあったとき(25歳 男性)
・上司が信頼できない人だったとき(29歳 女性)
人間関係が悪いと、「質問をしにくい」「報連相がうまくいかない」など、仕事にも影響が出かねません。なお回答の中では、「上司と合わない」という意見も目立ちました。「決裁」「評価」など、上司との接点をなくすことはできませんから、上司と合わないととくにツライですね。
6位 忙しすぎる
・やってもやっても仕事が終わらないとき(22歳 女性)
・連続で残業しているときにやる気が出なくなる(28歳 男性)
・タイトなスケジュールの中で、残業確定な量の仕事をさばかなければならないとき(29歳 女性)
「仕事が多すぎて残業確定のとき」「忙しくて休みが取れないとき」などの回答が寄せられています。「周りは暇そうなのに自分だけが忙しい」という不公平な状態だと、さらにやる気が削がれそうです。また多忙は疲労につながり、「集中力欠如」や「やる気のさらなる低下」を招く可能性もあります。
7位 評価されない
・どれだけ仕事を頑張っても給料が上がらず、評価されないとき(20歳 女性)
・成果を認めてもらえないと感じたとき(26歳 女性)
・「仕事に見合った給料をもらっていない」と感じるとき(28歳 男性)
「頑張って成果を挙げているのに給料が見合わない」ことでやる気をなくしてしまう人が多い印象です。「業務量の少ない人が高い給料をもらっている」など、評価が不公平だと感じるとさらにやる気は下がりそうです。また「頼まれた仕事をこなしても感謝されない」など、「周囲から認められない」と感じることでやる気を失う人もいました。
8位 休み明け
・休み明けです。まとまった休みがあった後は、特にやる気がでません(23歳 男性)
・休み明けの月曜日は体がダルく、体がもとに戻るまでやる気が出ません(28歳 男性)
・月曜日に「また1週間が始まるのか」と思い、やる気が出なくなります(29歳 女性)
仕事や人間関係が嫌で「休み明けはいつも憂鬱」という人もいるかもしれませんね。また「休日に遊びすぎて疲れた」「休みに不規則な生活をしてしまった」などの理由で、体がダルくてやる気が出ないパターンもありそうです。「日光を浴びる」「軽い運動をする」「簡単な作業から始める」といった工夫で、やる気を取り戻せる可能性があります。
9位 暇すぎる
・お客さんが来ると思った休日に来店数が少ないと、ドッと疲れがおしよせ、やる気がなくなります。(20歳 女性)
・お客様が0人の状態が続くとやる気がおきないです(28歳 女性)
・仕事量が少なく暇なとき(29歳 男性)
暇すぎると「何のためにここにいるんだろう」という気持ちになり、やりがいを感じられませんよね。仕事は忙しすぎても暇すぎても、やる気に影響するようです。暇なときは「スキルアップのための勉強をする」「雑務を積極的にこなす」など、時間を有効活用してみてはいかがでしょうか。
10位 周りがサボっている
・まわりの同僚がダラダラしているとき(25歳 女性)
・同僚がやる気を出さないとき(26歳 男性)
・「他人がサボっていて、自分が一番働いてる」と感じるとき(29歳 女性)
同僚がサボっているのを見ると、「自分だけ頑張っているなんて馬鹿らしい」と思ってしまうことも。同僚に対してイライラして、仕事に集中できなくなることもあるでしょう。「サボっている人」は、周囲に悪影響を及ぼすのですね。
人間関係や待遇がよければ仕事のやる気が出る
ではどんな環境であれば、やる気が出て、仕事へのモチベーションを保てるのでしょうか。
「どのような環境・条件ならやる気が出ますか?」と聞いたところ、回答は以下のようになりました。
1位は「人間関係がいい(184人)」、次ぐ2位は「満足できる収入(127人)」となりました。「人間関係や待遇がいいと、仕事内容や仕事量への不満はある程度許容できる」と考える人が多いことが伺えます。3位以下には「忙しすぎない(70人)」、4位「快適なオフィス(60人)」、5位「評価される(54人)」などがランクインしました。
では6位以降のランキングの解説も含めて、具体的な回答を紹介します。
1位 人間関係がいい
・人間関係良好で信頼できる上司がいる環境(25歳 女性)
・形だけでも「ありがとう」と言える人の多い環境なら働きやすい(やる気が出る)のではないかと思います(26歳 女性)
・職場内の雰囲気が明るく、コミュニケーションが取りやすい環境(27歳 男性)
「信頼できる上司がいること」を挙げた人も多くなりました。大変な仕事でも、信頼できる上司・同僚と一緒に取り組めばなんとか乗り越えられるということもあるでしょう。よい人間関係は、仕事へのやる気を引き出したり、やる気が落ちそうなときに踏ん張れる要因になるようです。
2位 満足できる収入
・今の倍の収入があればやる気が出ると思います(25歳 女性)
・頑張ったら頑張っただけの給料がもらえる(27歳 女性)
・年収が700万を越えれば、嫌な仕事でもやる気がでます(29歳 男性)
努力や成果に見合った給料がもらえるのであれば、「忙しくても頑張ろう」「イヤな仕事内容でも取り組もう」と思えますよね。「給料アップだけでは、モチベーションを長期的に維持できない」という意見や研究成果もあります。とはいえ実際には「収入は大きなモチベーションになる」と感じる人は多いようです。
3位 忙しすぎない
・ゆったりできればやる気が出る(26歳 男性)
・休みが多い、定時で帰れる(28歳 女性)
・人員が多くて負担が少ない環境(29歳 女性)
残業が少ない、休みが多いなどの回答を含む「忙しすぎない」がランクイン。「早い時間に帰り、次の日に備えてぐっすり眠れる」「しっかり休日が取れ、リフレッシュできる」という状態だと、体調が整い、集中力があがってやる気も出るでしょう。
4位 快適なオフィス
・暖房設備が整っている環境(21歳 女性)
・ドリンクの自動販売機がある(25歳 女性)
・パーテーションなどで一人の空間を確保できているとやる気が出ると思います(26歳 男性)
具体的には「清潔」「快適なデスクとチェア」「リフレッシュスペースや休憩室」「適度な温度と湿度」など。雑然としたオフィスより、清潔で片付いたオフィスのほうがやる気が出るというのは、容易に想像できますよね。また「仕切られた個人スペースがほしい」という意見も多数ありました。「集中したい」「人に見られながら作業するのが苦手」といった理由があるようです。
5位 評価される
・小さなことでも褒めてくれる環境(22歳 女性)
・ちゃんと評価してくれるならやる気が出ます(25歳 男性)
・上司が言葉で直接褒めてくれるとき(28歳 女性)
収入に結び付くかどうかに関わらず、ほめられたり認められたりすると、満足感や喜びを感じる人は多いですよね。「昇給で感謝が示される環境が希望だが、言葉で感謝を伝えられるだけでもやる気が出る」という意見も。ほめられると「次も頑張ろう」「もっと頑張ろう」と思えるものです。
6位 好きな仕事内容
・自分の趣味や得意分野が生かされる環境(24歳 男性)
・やりがいを感じ、楽しめる仕事内容(26歳 女性)
・業務内容が繰り返しでなく、日々新しい刺激がある(29歳 女性)
「仕事内容が好き」「仕事にやりがいを感じる」というのは、大きなモチベーションになります。反対に「誰の役に立っているのかわからない」「仕事内容が全然向いていない」という状態だと、モチベーションは保ちにくいですよね。
7位 柔軟な勤務が可能
・在宅ワークで、好きな時間に仕事ができる(23歳 女性)
・自分の行きたい時間に出勤でき、好きなタイミングで退勤できる環境(28歳 女性)
・フレックスタイム制で出社時間が自由であること(29歳 男性)
場所や時間に縛られずに働きたいと希望する人が多いとわかります。「通勤ラッシュの時間帯に1時間以上かけて出勤する」となると、通勤だけで疲れてしまってやる気がなくなることもありそうです。多様な働き方を認めてくれる会社に対しては、愛着も湧くことでしょう。また「リモート勤務であればあまり人と関わらなくていいから」という意見もありました。
8位 裁量がある
・一人でもくもくと作業がしたい(26歳 女性)
・上司に管理されすぎず、自分のペースで頑張れる環境(27歳 女性)
・裁量が大きいプロジェクトを任されたとき(29歳 男性)
ある程度の裁量をもち、のびのびと仕事したいと考える人が多いとわかります。なにからなにまで指示されて言われたとおりにやるだけでは、窮屈に感じ、やる気を失ってしまいがちです。優秀で自信がある人ほど、裁量がある環境を求めるのではないでしょうか。
9位 忙しい
・お客様が多く来店して忙しいとき(21歳 女性)
・仕事が程よく忙しい時はやる気が出ます(28歳 男性)
適度な忙しさがほしいという意見が目立ちました。休みが取れないほど忙しいのは困りますが、暇すぎるとやる気を失ってしまうからですね。また忙しいときに周囲と力を合わせて仕事に取り組むことに快感を覚える人もいるようです。
10位 スキルアップできる
・先輩に一から指導してもらえる環境。フィードバックも含めて一から学んでいきたい(23歳 男性)
・大変でもスキルアップできる環境(27歳 女性)
・教育・指導環境が整っていること(28歳 男性)
「教育制度やスキルアップのサポート体制が整っているとやる気が出る」という声が寄せられています。
教育・研修制度に関心が高いのは、まだ若い20代ならではかもしれません。
「以前は聞いても教えてくれない人が多い職場で働いていたので、仕事をちゃんと教えてもらえる職場がいい」という体験談もありました。
転職を考えたことがある20代は84.4%
最後に「転職を考えたことはありますか」と聞いたところ、回答は以下のようになりました。
「ある」と答えた人が84.4%で多数派となりました。
20代ですでに8割以上の人が転職を考えたことがあるのですね。実際に転職経験がある人もいました。
しかしやる気がでないからといってすぐに転職するのは早計です。
人間関係や担当業務は異動で変わる可能性がありますし、経験を積めば失敗やミスも減らせるはずだからです。「やる気が出ない原因がどうしても改善されない」「個人の努力では状況を改善しようがない」といった場合には、転職も視野に入ってくるでしょう。
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20代の働く男女500人にアンケートを実施したところ、「仕事のやる気が出ないときがある」と答えた人は91.0%でした。
「やる気が出ないとき」第1位は「体調が悪いとき」でした。また「怒られた」「評価されない」「周りがさぼっている」も上位にランクイン。
個別の回答を見ていると、職場で「理不尽さ」「不公平さ」を感じたときにやる気を失ってしまう人が多い印象です。「どんな職場ならやる気が出ますか」という質問には、「人間関係がいい」「満足できる収入がもらえる」と答えた人が多くなりました。認めてくれる上司や仲間がいて、頑張りに応じた収入が手に入れば、多少仕事内容がツラくてもやる気を維持できる人が多いと推測できます。