インターネットに接続するパソコンやスマホなどはIPアドレスを持って通信していますが、番号だけだと所有者がわかりにくいので、ドメインネームをつけてサーバーやメールに使っています。インターネット利用発展に大きく寄与した、ドメインについて解説しましょう。
目次
そもそもドメインとは?
独自ドメインとサブドメインの違いは?
ドメインと一緒に覚えておきたいIT用語
最後に
そもそもドメインとは?
広いインターネットでWebサーバーやメールサーバを探すのに、IPアドレスでは所有者や届け先を覚えにくいので、領域=ドメインごとに名前を付けたのです。
全世界にドメインネームサーバーが設置され、連携してドメインとIPアドレスを変換してくれます。IPアドレス同様、インターネットでの住所名に相当します。
サーバーに接続するときは、ブラウザから https://www.yahoo.co.jpのように入力すると、ドメインネームサーバー(DNS)が「それは183.79.250.251だ」と教えてくれます。https://www.は接続手順(プロトコル)で、yahoo.co.jpがドメイン名になります。
ドメイン名は重複しないように管理されていて、世界的には.comや.netを「ICANN」、日本では .co.jpや .jpを「JPRS」が管理しています。登録は許可されたプロバイダ事業社に有償で依頼します。登録事業社はレジストラと呼ばれ、世界的には「GoDaddy」、日本では「お名前.com」が有名です。レンタルサーバーを提供するプロバイダ事業社でも登録出来ます。
ドメインネームは、サーバ名やメールアドレスに使われ、名刺などにも印刷するので、覚えやすい名前は高額で使用権利が取引されます。
ドメインネームサーバー
ドメインネームとIPアドレスを変換するドメインネームサーバーは全世界に分散され、連動して、ドメイン名が重複しないようにドメイン名をIPアドレスに変換しています。しかも速い! インターネットが使いやすくなった、ものすごい技術です。
インターネット接続で、最初に接続するドメインネームサーバーが落ちていると迷子になってしまうので、あたかも「サーバーが落ちている」 ようになります。ドメインネームサーバーがIPアドレスを教えてくれないと、希望するサーバーに接続出来ないのです。
NATルータには、説明書に従いルーター設定Webページにアクセスしてプロバイダ事業社から送られてきた設定シートを使い、IDとパスワードを設定しますが、加えてドメインネームサーバIPアドレスの設定が必要な場合もあります。
ブラウザからGoogle検索
最近のブラウザは、Google検索などと連携していて、サーバーを探すためにドメインネーム「https://www.yahoo.co.jp」などを入力する必要はなく、探したい情報を入力すると検索して候補が出るようになっています。
独自ドメインとサブドメインの違いは?
ドメインにはレジストラへ登録する独自ドメインと、大きな組織でメールサーバーなどを分割するためのサブドメインがあります。
独自ドメインとサブドメインの違い
登録されたドメインネームは、他に重複しない独自ドメインとなります。「Amazon.co.jp」のように通販で巨大な取引をしているドメインネームは価値が高い独自ドメインと言えます。
大きな会社、組織で社員が多く、メールサーバを使うユーザーが多くなると、1台のメールサーバーでは処理が遅くなるので、分割します。その時のドメインをサブドメインと呼びます。レジストラへの登録は不要で、自社所有のドメインネームサーバーやメールサーバーにサブドメインを設定します。
独自ドメインを取得するメリット
サブドメインを使うメールアドレスは、XXXX@subdomain.domain.co.jpのようになります。大きな会社で部署名や子会社において、どこの組織に所属していることがメールアドレスでもわかるのです。
独自ドメインは組織内で使うので、取得や維持管理が容易に行え、レジストラへの費用負担もないのがメリットになります。
ただし、メールサーバー運用は攻撃などに対するアップデート工数なども多く、大変なので、レンタルサーバー会社のサービスがお勧めです。メールアドレス設定やサブドメイン設定なども、コントロールパネルから簡単に行えます。
ドメインと一緒に覚えておきたいIT用語
インターネットを使う時に知っておきたいドメインに関するIT用語を説明しましょう。
Who is(フーイズ)
ドメインネームは世界に一つなので、所有されていない名前を探すときに、「Who is」を使います。 .co.jpは日本の法人、.jpは日本在住の組織しか取得出来ないので、覚えやすい名前が残っているかもしれません。
世界的には .comがよく使われています。その他 .net .tvなどがあります。
2:https://www(エイチティーティーピーエス://ダブルダブルダブル)
インターネットにwww形式で公開しているWebサーバーにhttpsプロトコルで接続するとき、ブラウザに入力するコマンドです。最近のブラウザは検索エンジンに連動してジャンプするので、使うことが減ってきています。
旧来から使われてきた http:// は通信が暗号化されていないので、最新のブラウザで接続すると「保護されていない通信」などと表示されます。サーバー側でSSLキーをインストールしてhttps://接続できるWebサーバーが増えてきました。
3:SSL(エスエスエル)
データを暗号化して送受信する仕組みのひとつです。 サーバー証明書として、認証内容によりレベル分けされた「ドメイン認証」「企業実在認証」「EV認証」の3種類があり、なりすまし、改ざん、フィッシングなどを防ぐために使います。
SSLキーはドメイン取得同様に有償で配布され、レベルにより利用料も高額ですが、最近、ブラウザがhttp通信を「保護されていない通信」と表示し、https通信を推奨するようになったので、無料で使えるSSLサーバー証明書 Let’s Encryptを提供するレンタルサーバーも増えています。
4:レンタルサーバー
インターネットに情報を発信したり、共有する場合に、Webサーバーを使います。使うソフトウエアはLinuxサーバーならApache、Nginx、WindowsサーバーならIISサーバーが代表的です。しかしながら、サーバー運用管理はアップデートなどの管理工数も多く、メールサーバー管理なども大変なので、自社で使う電気代よりも安価にサーバーを貸してくれるレンタルサーバーご利用をお勧めします。
レンタルサーバーの利用料金は、サーバー性能、共有台数、回線容量などで変わります。運用メンバーがたくさんのサーバーを管理したり、1台のサーバーに何十サーバーも収容して利用料を安価にしています。
レンタルサーバー会社では、サーバー構築用サービスCMS(コンテンツマネージドサービス)なども簡単に使えるようになっています。
最後に
新しく会社を設立したとき、会社案内用ホームページと連絡用メールアドレスが必須です。このときドメインが必要です。無料で使えるプロバイダ事業社メールアドレスやGmail、Yahoo!メールではかっこ悪いですよね。会社名同様に、ドメインネームもわかりやすくカッコ良いオリジナルの名前を見つけて登録し、インターネットを有効に使ってみてください。
杉田正
インターネットハンドルはsugipooh。
アマチュア無線、TK-80BS、PC-8001、APPLEII、MacintoshPlusからのアップル信者。大型ストレージ、RAIDやNAS開発からWebサーバー開発、データセンターにおけるセキュリティ規格ISO27001(ISMS)を日本で最初に取得。現在はクラウド用省エネデータセンター研究開発や省エネデータセンター構築コンサルタントを行っている。
構成・編集/京都メディアライン(HP:https://kyotomedialine.com FB:https://www.facebook.com/kyotomedialine/)