皆さんは、漢方薬と聞くとどんな印象がありますか? 「苦いけどからだによさそう」「葛根湯は知っているけど……」など、「そもそも漢方ってどんなもの?」と思っている方も多いのではないでしょうか。
そんな基本的な漢方に関する疑問や基礎知識を、漢方の専門家にわかりやすく解説してもらいます。 第5回のテーマは、「漢方の考え方(2) 陰陽」です。あんしん漢方(オンラインAI漢方)の薬剤師、篠原明宏さんに教えてもらいました。
漢方の考え方とは?
今回のテーマの解説をする前に、まずは漢方の基礎、考え方からおさらいしていきましょう。
東洋医学は、「病気ではなく、病人をみる」といわれます。局所に不調があっても、心とからだ全体のバランスの乱れを整えることで、根本からの改善を目指します。
そのために、個々人の体質(食生活や生活環境や状態)などを重視します。
漢方には西洋医学でいうところの診断方法「証」があります。証を決定し、一人ひとりのからだの状態を把握することで、治療をはじめます。
漢方の考え方「陰陽」
古代の中国人は、万物は「陰」と「陽」という正反対の性質を持つものにわかれると考えていました。「天と地」「日と月」「動と静」「外と内」「男と女」といった具合です。これを陰陽論(陰陽学説)といいます。
漢方医学的な陰陽の例としては「からだががっちりしている・細身」「暑がり・寒がり」「食欲旺盛・小食」などです。
陰陽論は漢方の理論のベースにもなっていて、とても大事な考え方です。そして、陰と陽のあいだを「中庸(ちゅうよう)」といい、これは過不足のない状態、バランスが保たれ偏りのない状態を指します。
調和の保たれた中庸を目指すのが漢方の考え方の基本です。
あなたはどっち?「陰陽」チェックリスト
「陰陽」には「表裏」「熱寒」「実虚」といった対立概念があります。言葉の後ろに「証」をつけ、「陰証・陽証」や「表証・裏証」というように、体質と症状をあらわします。
そのうち、今回は「熱寒」「実虚」についてそれぞれの特徴をご紹介します。
1.「熱証」と「寒証」
好みや体質によって「熱証」と「寒証」を見分けることができます。以下にチェックリストをご用意しました。当てはまるものにチェックをつけてください。
A
□顔色が赤みがかっている、または黄色い
□舌が赤い
□顔や手足がよくほてる
□よくのどが渇くことがある
□冬でも冷たいものをよく飲む
□暖房が苦手
□便秘になることが多い
B
□顔色が青白い
□舌が白っぽい
□手足がよく冷える
□口が渇いても熱いものを飲みたい
□夏でも熱いものをよく飲む
□冷房が苦手
□下痢や軟便が多い
「熱証」は汗かきで顔が赤く、ほてりが強い人で「寒証」は局所が冷えていて顔色が悪い人と分類しています。
Aのチェックが多い場合「熱証」の傾向に、逆にBが多い場合は「寒証」の傾向にあります。熱証の患者さんには冷やす薬を、寒証の患者さんには温める薬を出し、治療していきます。
2.「実証」と「虚証」
「実証」と「虚証」についても判別していきます。1と同様に、ご自分が当てはまるものにチェックを入れてください。
A
□からだががっしりしている
□疲れにくい
□血行がよい
□汗をかきやすい
□声が強い、高い
□胸やおなかが柔らかい
□肌がつやつやしている
B
□痩せ型、もしくは水太り
□疲れやすい
□血行が悪い
□汗をかきにくい
□声が低い、弱い
□胸やおなかに張りがあったり押すと痛む
□肌が荒れやすい
「実証」は体力や抵抗力が充実している人で「虚証」は体力がなく弱々しい感じの人と分類しています。
Aのチェックが多い場合は「実証」傾向、Bが多い場合は「虚証」傾向にあります。どちらも半分くらいの場合は、中間証です。こういった証が、漢方薬を処方する場合に重要な指標となります。
自分の体質に合った漢方を選ぶことが大切
今までご紹介したように、証が違えば当然ながら飲むべき漢方薬も変わってきます。その判断には、漢方の知識が必要不可欠です。自分の体質に合わせて漢方を選ぶことこそが不調改善につながり、からだにとっても大事です。
もし、からだに合わない漢方薬を服用した場合、症状を治すどころか、さらに悪化させてしまい、副作用の危険性もあります。漢方薬は医師や薬剤師など、その道のプロにお任せすることが重要です。
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陰陽はからだの状態を知るひとつのものさし
今回は、漢方薬の考え方のひとつ、「陰陽」について解説しました。漢方薬はバランスの医学です。どちらか一方に偏ることなく、過不足のない中間の状態に持っていくことを目的としています。
ぜひ、みなさんも「熱証」と「寒証」 、「実証」と「虚証」のチェックリストで自分がどんな証の傾向にあるのか調べてみてください。
次回も、「漢方薬の考え方」についてわかりやすく解説していきます!
<この記事を書いた人>
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