「うまさぎっしり新潟」のキャッチフレーズで観光推進を展開している新潟県。多彩な表情を持つ新潟の、訪ねてみたい魅力的なスポットを、4回にわたりご紹介します。
第4回は、新潟の豊かな恵みを存分に感じることができる、風土を意識したご当地グルメスポットをご紹介します。県民が慣れ親しんだ味、新しく生まれる味……、体が喜ぶ食を楽しみました。
■1:燕背脂ラーメン
新潟のご当地グルメのひとつがラーメンです。さらに、新潟あっさり系、濃口味噌系、三条カレーラーメン、長岡生姜醤油ラーメンとともに5大ラーメンといわれるのが、「燕背脂ラーメン」です。
その見た目は、大粒の背脂がたっぷりと浮かび、なんともインパクト大! お店によってはさらに背脂を追加することができます。
見た目の濃厚さとはうらはらに、味は煮干し出汁で、想像よりもあっさりとしています。麺はモチモチの太麺で、これがスープとよく絡みます。
燕市は製造業が盛んな地で、工場で食事を取るのも仕事の合間を見計らってとるため、背脂で蓋をしてアツアツをキープし、太麺で伸びにくくするという工夫が、このラーメンを生み出したといわれています。
職人が多い町ならではの、少ししょっぱめ、ガツン系のラーメンです。市内に30店舗以上があります。
■2:TONERIKO(とねりこ)
新潟市西蒲区の、角田山を背景に田園が広がる地に今年5月にオープンした「そら野テラス」。このなかにある農園のカフェ厨房が「TONERIKO」です。
テラス席に座ると、大空とともに広がる目の前の田んぼの気持ちがいいこと! 減農薬のコシヒカリや自家製の味噌、地元野菜がふんだんに使われたお料理がいただけます。また、ピザも米粉を使い、もちもち食感がたまりません。
そら野テラスにはほかにお米や旬の新鮮野菜、手作り品などを購入できる「そら野マルシェ」、注文後にふんわりと握るおにぎりやお惣菜、ソフトクリームなどを揃える「そら野デリカ」、そしてイチゴ摘みなどの収穫体験ができる「そら野ファーム」があります。
豊かな大地が育てた味覚を堪能できます。
【TONERIKO(とねりこ)】
新潟市西蒲区下山1320-1
電話/0256-88-4411
■3:燕三条イタリアンBit(ビット)
三条市で生まれ育ったオーナーシェフの秋山武士さんが、地元の食材と、燕三条が世界に誇る洋食器や箸、グラスなどを揃えて、とびきりのイタリアンを供しています。
彩り豊かな前菜の盛り合わせにはカーブドッチのスパークリングワイン、フォアグラのテリーヌには八海山の貴醸酒、魚料理にはフェルミエの白ワインなど、新潟のお酒とのマリアージュも存分に楽しめます。
素材の味を生かしながら、技ありの料理は〝燕三条発″の心意気を感じます。
【燕三条イタリアンBit(ビット)】
新潟市中央区新島町通1ノ町1977
電話/025-201-7933
4回にわたり新潟の魅力をお伝えしました。知らなかった風景やスポット、味があったのではないでしょうか。ここではお伝えできないことがまだまだたくさんあります。ぜひ、新潟へ足を運んでみてください。
取材・文/関屋淳子
桜と酒をこよなく愛する虎党。著書に『和歌・歌枕で巡る日本の景勝地』(ピエ・ブックス)、『ニッポンの産業遺産』(エイ出版)ほか。旅情報発信サイト「旅恋どっとこむ」(http://www.tabikoi.com)代表。