生まれた月によって、「病気のなりやすさ」は違うのでしょうか? アニコムホールディングス株式会社(https://www.anicom.co.jp/)が公開している、ペットの疾患統計などをまとめた世界最大規模のペット統計データ集『アニコム家庭どうぶつ白書2020』から、犬の誕生月による「病気のなりやすさ」をご紹介します。
■4月&9月生まれは病気になりにくい!?誕生月ごとになりやすい病気も
人では生まれた月によって「病気のなりやすさ」や「かかりやすい病気」が違うということが、アメリカ・コロンビア大学の研究でわかっています。例えば『最も病気になりにくいのは5月生まれ』『1月生まれは高血圧になりやすい』などが挙げられます。こうした誕生月による傾向がペットの犬でも見られるのかどうかを、特定の対象群と他の群の2群について、ある病気のなりやすさを比較するための指標、つまり、オッズ比を用いて調べたところ、『4月&9月生まれの犬は、他の月生まれの犬と比べて病気になりにくい(保険金請求が少ない)』ということがわかりました。一方で、『病気になりやすい(保険金請求が多い)のは2月&3月生まれの犬』という結果になりました。
さらに、誕生月ごとになりやすい病気・なりにくい病気があるのかを調査したところ、それぞれの月で異なる傾向 がみられることがわかりました。例えば12月生まれの犬の場合、他の月生まれの犬と比べて、血液疾患(貧血や血小板減少症など)、泌尿器疾患(膀胱炎や腎不全など)になりやすく、肝胆膵疾患(肝炎や膵炎など)、歯・口腔疾患(歯周病や口内炎など)にはなりにくいということがわかりました。
誕生月別のなりやすい病気・なりにくい病気は、下記の通りです。
■人気上位18犬種を大調査!他の犬種に比べてなりやすい病気って?
誕生月だけでなく、犬種間の違いにも注目して調査を行いました。人気の18犬種について、「他の犬種よりもなりやすい病気」とその病気における年間平均診療費を調査したところ、それぞれの犬種で特徴があることがわかりました。 たとえば、日本の3大人気犬種といえばトイ・プードル、チワワ、ミニチュア・ダックスフンドです。いずれも小型犬であり、その愛らしい見た目や性格から各犬種のファンも数多く、街中で見かけない日はないほどです。ただし、それぞれがなりやすい病気となると、全く異なる傾向がみられます。
他の犬種と比べてトイ・プードルが最もなりやすいのは、「前足の骨折」でした。トイ・プードルは明るく活発で天真爛漫な性格の子が多いことに加え、他の犬種と比べて骨格が細めなので、ちょっとした段差を飛び降りただけでも骨が折れてしまうことがあります。また、トイ・プードルにおける足の骨折での年間平均診療費は約20万円となっていて、万が一骨折してしまうと、経済的な負担も大きいということがわかります。チワワは弁膜症(心臓病の一種)が、ミニチュア・ダックスフンドでは椎間板ヘルニアが、他の犬種と比べてなりやすい病気の第1位でした。なお、これまでも各犬種でどのような病気が多いかといった傾向はわかっていましたが、今回オッズ比を算出したことで、他の犬種と比べてその犬種で特にリスクが高いのはどういった病気なのかということが明らかになりました。
人気18犬種のうち、年間平均診療費が一番高いのはフレンチ・ブルドッグ
人気18犬種について、それぞれの年間平均診療費を調査しました。犬全体の平均が約7万円だったのに対し、最も高かったのはフレンチ・ブルドッグで年間約14万円(約2倍)となっています。一方、診療費が低いのは、ミニチュア・ダックスフンドやパピヨン、チワワなどの小型犬で、いずれも5万円台という結果になりました。
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いかがでしたか? 犬種や生まれて月によって、「病気のなりやすさ」が違うことがわかりました。それぞれの特徴や性格を理解することで、気を付けてあげられることがあるかもしれませんね。
本記事でご紹介したデータは、2018年4月1日から2019年3月31日までの間にアニコム損保の「どうぶつ健保」の契約を開始した犬590,383頭(全年齢、性別不明含む/契約の解除・取消を除く)を対象としています。