新着記事

『マイ・フェイヴァリット・シングス〜ライヴ・イン・ヨーロッパ1963(アフロ・ブルー・インプレッションズ)』

オリジナルを超えてスタンダードになった「改変」ヴァージョン【ジャズを聴く技術 〜ジャズ「プロ・リスナー」への道28】

介護施設の種類と費用は【今からはじめるリタイアメントプランニング】

要介護認定の有無で利用できるかどうかが決まる|介護施設の種類と費用【今からはじめるリタイアメントプランニング】

世代ごとのBS視聴傾向をTV局ごとに深掘り! BSファンの実態とは!?

BS放送世代別視聴率ベスト5|50代1位は「おぎやはぎの愛車遍歴」

アリ・シェフェール《フリデリク・ショパンの肖像》1847年 油彩、カンヴァス credit:Dordrechts Museum

“ピアノの詩人”の音楽と生涯をたどる【「ショパン―200年の肖像」展】

科学者が語る人生論|『138億年の人生論』

科学者が説く、トラブルに煩わされない「宇宙スケール」の考え方

山

紅葉が楽しめる!秋の登山・ハイキング人気スポットランキング

ねっとり里芋の焼きコロッケ

【管理栄養士が教える減塩レシピ】栄養満点! ねっとり食感を生かした「里芋のグラタン&コロッケ」

毎週月曜日更新!「ニャンコ先生の開運星占い」(10/14~10/20)射手座~魚座編

毎週月曜日更新!「ニャンコ先生の開運星占い」(10/14~10/20)獅子座~蠍座編

毎週月曜日更新!「ニャンコ先生の開運星占い」(10/14~10/20)牡羊座~蟹座編

通販別冊『大人の逸品』最新号はこちら

LINE公式アカウントでも記事を配信中

友だち追加

お気軽に友達追加してください

サライ本誌最新号(クリックで試し読み)

ピックアップ記事

  1. リラックスを追求し、日々を快適にする『シンラ』。103万5000円~(工事費別)。椅子と桶は23年前の新築時に友人から贈られたもの。
  2. 幅60㎝、広い庫内空間と高い収納力で12人分84点に対応する『SMI69N75JP』。年間で水道代・電気 代が約35%節約可能(※)。34万円(ドア面材、工事費別)。 ※(一財)省エネルギーセンター「家庭の省エネ大事典」より
  3. リビングから0.5階上がると、『タタミスペース』が用意される。1階とは違った設えが、暮らしに豊かさをもたらしてくれる。

>>過去の記事へ

サライの通販

>>過去の記事へ

サライ7月号付録「筋トレチューブ」トレーニング動画公開中!

旅行

絶景、素朴で温かい村人…最後の秘境に隠された桃源郷「パミール高原」(タジキスタン)

文・写真/パーソン珠美(海外書き人クラブ/シンガポール在住ライター)

知られざる桃源郷パミール高原

パミールの雄大な草原のユルタと家畜の群れ

パミールの雄大な草原のユルタと家畜の群れ

多くの人にとって、名前は聞いたことがあってもそこに何があるのか思い浮かばない、という場所がある。パミール高原もその一つではないだろうか。人々の話題に上ることはほとんどないが、しかしそこには、壮大かつ秀麗な、万年雪をいただく4,000〜7,000m級の山々がひしめくように並び、縁にその山々を飾りつけ佇む湖が点在し、なだらかな丘陵には遊牧民のユルタ(ゲルと同様の移動式住居)、そしてその周りにヤクや馬などがのんびりと暮らす、目を見開くほど美しく、時に神秘的でさえある光景が広がっている。

いターコイズブルーの水をたたえるアクバリクの泉(ホワイトフィッシュスプリング)

ターコイズブルーの水をたたえるアクバリクの泉(ホワイトフィッシュスプリング)

パミール高原のほとんどをその国土に有するタジキスタンは、1991年のソ連崩壊直後に勃発した内戦などのため、国自体の発展が遅れた。加えて、マイノリティであるパミール人の住むこのエリアに政府は十分な経済的サポートをしておらず、人々は最小限のインフラ環境で暮らす。

そのため、パミールの道路状況は著しく劣悪な上、交通網の組織化もされておらず、行き来が容易でない。21世紀になり世界では各地のアクセスが向上、いわゆる「秘境」といわれる場所が減っていくなか、未だ外界と隔絶される環境が、この地に秘境然とした姿をとどめさせ、故事どおりの桃源郷を作り上げている。

対岸にアフガニスタンを眺めるオフロードの旅

草原を貫くパミール・ハイウェイ

草原を貫くパミール・ハイウェイ

パミール高原の旅は、運転手付きの四駆を手配し、エリアを貫くように敷設された、ソ連時代は「M41」、現在では「パミール・ハイウェイ」という通称で知られる道路をなぞるかたちでまわるのが一般的。途中南へ迂回し、「ワハーン回廊」という、アフガニスタンとの国境地帯を訪れる人も多い。

ワハーン回廊の道路は未舗装の部分が多く、時に滑り落ちてしまうのではないかとハラハラするような狭く曲がりくねった崖を通ったりしながら、タジキスタンとアフガニスタンの間に国境として横たわるパンジ川沿いを走る。

パンジ川は幅を狭めたり広げたりしながら流れ、対岸のアフガニスタンがすぐ目の前に迫り、そこに暮らす人たちの様子が手に取るように眺められることも。アフガニスタン側でも、パミールでは他の地域とは隔絶された山岳地帯の農村生活を送っていることに変わりがないのが見てとれるものの、タジキスタンでは女性は髪も顔も隠すことなく男性と同じように教育を受けている人たちが少なくないのと違い、昔ながらの装束で農作業をするアフガニスタン女性などが目に入る。

川を挟んだ向こう岸はアフガニスタン

川を挟んだ向こう岸はアフガニスタン

雄大な自然、そして素朴で温かい村人たち

紀元3世紀からシルクロード交易の中継地であったヤムチュン砦

紀元前3世紀からシルクロード交易の中継地であったヤムチュン砦

パミールには神社仏閣のような史跡は少なく、昔の城砦や寺の跡がわずかに残る程度。それでもこの地を訪れる人を惹きつけるのは、手付かずで残る雄大な自然と、点在する村々に住む、数少ない外国人来訪者を温かく迎える人たちだ。

中央アジアの人たちは一般的にそうと言えるが、素朴なパミールの人たちは他にも増して一層フレンドリーで、目が合えば、優しい笑顔で胸に手を当て「アッサラーム・アレイコム」とイスラム式に挨拶をし、「どこから来たのか。この村は気に入ったか」などと話しかけてくることも多い。

パミールを通してフレンドリーな村人たちに出会う

パミールを通してフレンドリーな村人たちに出会う

パミール高原での宿泊は、ほとんどが「ホームステイ」と言われる、家主の作る食事付きの民泊になる。「旅人を助けよ」という教えのあるイスラム教を信仰するホームステイの家主は客を心づくしのもてなしで迎えてくれ、心温まる宿泊体験ができるだろう。また、昔ながらの暮らしぶりを保つ村の生活が見えるのも興味深い。

居心地よく過ごせるよう配慮されたホームステイの部屋

居心地よく過ごせるよう配慮されたホームステイの部屋

また、日本人にとって嬉しいのは、ワハーン回廊には公共の温泉が2カ所あること。慣れない砂まみれの高地の旅の疲れを落とし、湯に浸かりリラックスするという共通の楽しみのために来たローカルの人たちと文字どおりの裸の付き合いができ、立ち寄れば特別な思い出となることは間違いない。

ガラムチャシュマ温泉の裏手に堆積した湯の花を集める人たち

ガラムチャシュマ温泉の裏手に堆積した湯の花を集める人たち

以前は招聘状などが必要で手続きが煩雑だったタジキスタンのビザだが、現在は招聘状は不要、さらにオンラインでの申請が可能となった。ほとんどの人がパミール旅行の起点または終点にする街オシュのある隣国キルギスも日本人はビザが不要となり、行きやすくなったため、今後パミールを訪れる旅行者が増える可能性がある。

また、タジキスタンは一帯一路に参加し、国境を接する中国との関係を深めており、中国がパミールに軍事基地を拡大させているのではと示唆する海外メディアもある。素朴な桃源郷が変わってしまう前に、彼の地を訪れるなら今がその時かも知れない。

(2019年8月中旬取材)

写真・文/ パーソン珠美
日英通訳、ライター。さまざまな業界での通訳や取材、5ヵ国の在住経験と40ヵ国を超える海外渡航歴、国際結婚、子育てなどから得た豊富な経験をもとに記事を執筆。海外書き人クラブ会員(http://www.kaigaikakibito.com/)。

この記事が気に入ったら
いいね ! しよう

Twitter で

PAGE TOP