中国で修業した篆刻家が刻む、文字が躍る遊び心あふれた印章
篆刻(てんこく)とは、中国が起源の印章づくりのこと。主に篆書体という漢字の元となった象形に近い文字を基本的に石の印材に刻む「ハンコ」であり、現代では書道や絵画の作品に押す落款に用いられている。
紹介するハンコは、北鎌倉に工房「かまくら篆助」を構え、本格派の篆刻はもとより遊び心のある文字も得意とする篆刻家・加藤雨人さんが手彫りで作成する。本場中国での武者修業で技を磨いた文字は生き生きと楽しげで、世界にひとつだけのオリジナル印となる。
「文字は、漢字、ひらがな、カタカナ、アルファベットなど篆書体以外の3文字まででお作りします。絵手紙やハガキ、特別なカードにお使いいただくほか、普段の認印にも使えますよ」と、雨人さん。
印材には、中国原産の赤色を帯びた天然石「肖山石」を使用。正しく押印できるよう、上部を示す目印の石が付く。印面は12mm四方で文字は白となる白文仕様である。
「ハンコ作りは、まず印面を耐水ペーパーで研ぎ、平らに整えてから筆で下書きし、印刀で文字を削ります。印材の石は彫刻しやすい柔らかいもの。小さな印面の中に巧みに印刀を滑らせ、文字によって異なる配列のバランスをイメージしながら、丁寧に彫り進めて仕上げます」(雨人さん)
職人が一から作り上げる贅沢なハンコである。
【今日の逸品】
篆刻のハンコ
かまくら篆助
8,800円(消費税込み)