刃先から持ち手までが全長21cmの鋏型爪切り
江戸時代末期の文久年間に創業し、越後木鋏の宗家として約160年間、脈々と刃物づくりを継承してきた「外山刃物」。その伝統技法を用いて使い勝手のよさを徹底追求しながら開発されたのが、柄の長さが特徴的なこの鋏型爪切りである。
「刃先から持ち手まで全長は21cm。柄を長くしたのはテコの原理で刃先に力を加えやすくしたためです。手を伸ばすだけの姿勢で足の爪が切れるので、体が硬い方、腰痛の方、腰が曲がりにくい方でも楽に使っていただけます」と、鋏職人の外山秀久さん。
約80工程を経て生産される本品は、2本の太い金属棒から始まり、火造り鍛造で作られる。金属を熱して叩き、冷やすという工程を何度も繰り返すことで、硬く丈夫に鍛え上げるのだ。
鋏の鋭い切れ味を生み出す刃付けでは、刃の裏側を研ぐ「裏研ぎ」と、職人が研ぎ石を用いて手作業で刃を研ぐ「水研ぎ」が行なわれる。「裏研ぎ」は、刃が一点で噛み合うように調整する熟練の技が求められる。「水研ぎ」は一枚一枚の刃を丁寧に研ぐことで、鋭い切れ味となる。仕上げでは、鋏のシャキシャキという音で、切れ味のよさを判断し、微調整する念の入れようだ。
硬い爪もスパッと切れるので、爪の手入れが各段にしやすくなる。
【今日の逸品】
秀久作・足用つめ切り鋏
外山刃物
8,690円(消費税込み)