【ビジネスの極意】伝説のロックバンド「クイーン」に学ぶビジネスの基本

ボーカリスト、フレディ・マーキュリーにスポットを当て、大ヒットした映画「ボヘミアン・ラプソディー」。この映画によりロックファンだけでなく、世界的に有名になったロックバンド「クイーン」。だが、「クイーン」、実はビジネス的に成功することに自覚的だったという。リーダーシップとマネジメントに悩む、マネジメント課題解決のためのメディアプラットホーム「識学総研から、その理由を知ろう。

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世界一のバンドに学ぶビジネスのコミュニケーション術

一昨年、映画「ボヘミアン・ラプソディー」が大ヒットしました。主役として一気に人気が高まったクイーンは、世界で最も成功した英国のバンドとしても知られています。

彼らは一見すると、まるでエキセントリックな才能の集まりが、偶然に音楽の魅力によって成功し、開花したように見えます。しかし、伝記やインタビューを見ていくと、彼らはビジネスに非常に自覚的なバンドだったことがわかります。その成功の根本には、実は周到な努力と知恵があったのです。そしてその知恵は、現在のビジネスにも通じるものばかりであることがわかります。

フレディ・マーキュリーの生前の言葉を集めた「Freddie Mercury His life in his own words」という書籍から、世界一のバンドの秘訣を学んでみましょう。

才能がある人を集めただけではダメ

ロックバンドは、ただ、素晴らしいミュージシャンを集めたら成功するのでしょうか? クイーンのリード・ボーカルであるフレディ・マーキュリーの答えは「NO」です。

「俺はなんて素晴らしいミュージシャンなんだ! なんて素敵な歌を書いたんだ!というだけではダメなのだ」[1]とフレディは言っています。

それにはどうすればいいか。

フレディは市場に入る時期を間違えないこと、自分をどう見せるかに自覚的になること、と言っています。クイーンはそのために、突飛な化粧を施し、市場に「ショック」を与えます。要するに、「既存のバンドとは何かが違う」ということをあえて見せ、目立とうとしたのです。

ビジネスでも同じかもしれません。アイデアが良いだけでも、優秀な人を集めるだけでもたりません。マーケティングの戦略を持って「自分をどう見せるか」を考え、市場に取り組む人々の集団であるべきだというのです。

実は私のいた編集の現場も同じでした。
クリエイターとして優秀な人を集めて、良いものを作るだけではなく、それをどのように読者に届けるかまでを考えないとなりません。そして、「正しい時期に市場に投入する」ーーつまり、何かを市場に届けるとき、それは早すぎても遅すぎてもいけません。

さらにそれが市場に今までなかった「新しいもの」であることを受け手である読者にアピールしないといけないのです。

利益を上げなければビジネスではない

フレディ・マーキュリーは、取り組むビジネスがどんなものかを自覚し、どうやって利益をあげるかを考えよと言っています。

クイーンは初期にそれなりにレコードの売り上げがあったのにもかかわらず、バンドにほとんどお金が残らなかったことはよく知られています。

クイーンの「オペラ座の夜」というアルバムには、有名な「デス・オブ・トゥー・レッグス」という歌があります。

これはクイーンが初期に関わったトライデント・スタジオのノーマン・シェフィールドへの悪口を歌ったものだと言われていて、歌詞を聞くと悪口ばかりでびっくりします。当時のクイーンはレコードの売り上げがあったにもかかわらず、メンバーに分配されるお金が少なかったと、怒りをぶつけたのです。

これら初期の手痛い失敗から、クイーンは自分たちでマネジメントを強化することを学びます。面倒臭くても、自分たちでビジネスをマネージしなくてはならないのです。

これは日本の芸能界やエンタテインメント・ビジネスなどでもときどき指摘されています。
ビジネス上でどう利益をあげるか。その利益をどう分配しているかにいつも自覚的でなければ、持続させることは難しくなるでしょう。

自分たちを助けてくれる正しい人々を探し出せ

そのためには、付き合う人たちを慎重に選ばなければならない、というのが彼の主張です。

例えば、バンドにとっては「良いマネジメント」が不可欠だったとしています。
フレディ自身も「我々は、だんだん非常にマネージメントしにくいグループになっていった。なぜならたくさんのことを要求するからだ」[1]と認めています。

彼は書籍でも、「一旦成功するといろんな奴が寄ってくるんだ。それが本当に生き残りに関わるテストとなる。ちょっとでもスキを見せたら、ヒルどもがあなたの血をなくなるまで吸いにやってくるだろう」[1]と書いています。

「人々は、アーティストには「脳みそがない」と思っている」[1]と。

クイーンのベーシストのジョン・ディーコンはビジネスを非常に注意深くみていたと、フレディは言います。「彼はすべきこと、すべきでないことを全部知っていた。(中略)ジョンがそれで良いよと言わなければ、グループは何もできなかった[1]」と書いています。組織にこうしたブレーンがいることは、大きな意味を持つのです。

仲間とは正しい喧嘩をせよ

外との争いの一方で、バンド内部にも争いがありました。内部の争いについてのフレディの意見は少し違います。

「実際に、多くのバンドがお金のことで簡単に分裂してしまうんだ」[1]とフレディはいいます。クイーンは同じメンバー4人でずっと続いた珍しいバンドの一つですが、多くの同時期のバンドがメンバー交代を経験したり、解散したりしています。

フレディは、バンド内部の争いは、避けて通れないといいます。「そこには常に戦いがあった。ただし、それはとても健全なことだ」と。もしも異論を言わなければ、「俺たちはただのイエスマンになるだけだ」と。

喧嘩することと、一緒に働くことは、同じ目標を持っていれば両立する、と。「原則的に自分たちの目的は良い音楽を届けることだ」と知っていた[1]、と。

多くのバンドが解散してしまうのは、通常あるメンバーのエゴが強すぎることが要因になる。

「もし一人強い人間がいると、他の人間は、このクソッタレは強すぎるな。他のバンドに行こうかな、となる。だから、我々はどうにかしてこのエゴをコントロールするように気をつけたんだ。それには、お互いにリスペクトを持つことが重要だ[1]」と。

以前、私のいた編集部ではよく内部の喧嘩はどんどんせよ、と言われていました。「著者やデザイナーと仕事上の議論はどんどんしろ」ということです。お互いへのリスペクトを忘れず、「最終的に良いものを読者に届ける」という同じ目標さえ忘れなければ、それはむしろ有益だ、ということです。

評論家を気にするな

クイーンは、初期から「レッド・ツェッペリンやイエスの二番煎じ」などと言われ、評論家からの厳しい酷評に晒されたバンドでした。クイーンを題材にした映画「ボヘミアン・ラプソディー」も同様で、映画評論家から酷評されたことはよく知られていますが、彼らのメッセージは一貫して「気にするな」です。

フレディは評論家がクイーンを「ハードロック」や「ポップス」などの何かの音楽にカテゴライズすることに批判的でした。ブライアン・メイも「ボヘミアン・ラプソディー」の大ヒットに関して、評論家を皮肉った発言をしています。

いかがでしょうか。

最高のバンドの知恵は、現在のビジネスにも十分活かせるものばかり。とくに「共感の時代」「個人の時代」と言われる現代では、多くの人を捉えたバンドの軌跡は大いに参考になります。

【参照】
[1]出典 Freddie Mercury: His Life in His Own Words
by Greg Brooks (Editor), Simon Lupton, Jer Bulsara (Foreword)

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いかがだっただろうか。本文にもあるが、一流のアーティストには、ビジネスにも参考となる知恵があふれていると言えるのではないだろうか。

引用:識学総研 https://souken.shikigaku.jp/

 

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