上の兄と両親との良好な関係は、結婚で変わってしまった

母親は純子さんが中学に上がったときから仕事に復帰し、上の兄は大学院まで、2番目の兄と純子さんは大学まで出した。2番目の兄は大学で上京したものの、上の兄と純子さんは地元の大学に通い、上の兄は結婚まで、純子さんは26歳まで実家で暮らしたという。

「兄は大学院に進学したので27歳まで学生でした。2番目の兄はどうしても行きたいと東京の私大に進み、私は地元の私大に進学しました。3人が卒業するまで、相当な学費が必要だったと思います。母親はパート勤務ではなく、正社員として仕事に復帰していましたから。母は仕事をしながらも家事も完璧にこなしていて、同じことをしろと言われても、私には到底できないことだと思います」

上の兄が結婚したのは33歳のとき。通勤が長時間となり実家を離れていた純子さんよりも、3きょうだいのうち最後まで実家に残っていたのは上の兄だった。33歳まで実家にいたからか、両親と上の兄の関係には、2番目の兄や純子さんが入れないような絆を感じていた。

「上の兄は理系の大学院を卒業後に電子部品などを製造するメーカーに就職。1年目から高給取りでした。実家にお金を多く入れて、連休のときにはお金は兄持ちで両親と3人で旅行に行くこともありました。家の車も兄が購入していました。

私が帰省しても、実家は3人だけの空間でした。下駄箱のスペースが3当分されていたり、バスタオルが3色で揃えられていたり。私はよそ者だと感じさせる雰囲気がありました」

そんな兄だったが、結婚して変わってしまったという。兄は妻の言いなりになり、片親だった妻の母親と結婚当初から同居を始め、両親が暮らす実家に寄りつかなくなった。

「兄の結婚相手には結婚前に家族で顔合わせをして、感じの良さそうな人という印象でした。そのときには結婚相手の母親と兄が同居する話なんてまったく出ていませんでした。しかし、兄たちの新居には、当然のように相手の母親はいました。お邪魔したときには『いらっしゃい』と言われましたから。それに関してはとやかく言うつもりはありません。でも、お正月もお盆も両親に会いに来ないのは酷いと思いました」

3きょうだいの中で最後まで親の元に残った娘が抱えている思いとは。【~その2~に続きます】

取材・文/ふじのあやこ
情報誌・スポーツ誌の出版社2社を経て、フリーのライター・編集者・ウェブデザイナーとなる。趣味はスポーツ観戦で、野球、アイスホッケー観戦などで全国を行脚している。

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