担任から「他の子よりも幼い」と指摘を受けた
娘との2人暮らしになり、周囲に親など頼れる人もいない。当時は、児童扶養手当は母子家庭のみが対象だった。学童保育を利用したりして、なんとか生活をしている状況だった。
「結構自由な親だったので、私は実家にいるときから料理はある程度できたので、なんとかという感じです。学童は最初の頃は娘も喜んで行ってくれていたんですが、あるときから行きたくないと言って、家に1人で私が帰ってくるまで待つことが多くなりました。夜まで1人なのに娘は全然寂しそうにしなくて、それが無理をさせているように感じて、申し訳ない気持ちになりましたね」
それでも娘との仲は良かったと武志さんは振り返る。お風呂は1人で入ってほしいとお願いしてもなかなか聞き入れてくれず、小学校の高学年になっても2人で出かけたときには娘のほうから手を繋いでくることが多かったという。
「私は兄がいる男兄弟で、娘と親の関係は周囲から聞いた知識しかなかったのですが、もう少し父親と娘は距離があるものだと思っていました。
担任の先生との二者面談では、『他の子よりも幼い感じがします』と報告を受けていました。でも、その場合どうしたらその幼さが解消されるのかわかりませんでした。手を繋いでくるのも、私から手を離すことができなかったんです。まぁ娘の友だちと外で会ったときには娘のほうから手を離してきたので、娘の中では父と手を繋ぐことは恥ずかしいことという認識があったんだとは思います」
生理についての知識がまったくなくて担任からレクチャーしてもらった。【~その2~に続きます】
取材・文/ふじのあやこ
情報誌・スポーツ誌の出版社2社を経て、フリーのライター・編集者・ウェブデザイナーとなる。趣味はスポーツ観戦で、野球、アイスホッケー観戦などで全国を行脚している。