義両親と私の間には常に夫がいた
啓子さんの妊娠がわかったのは、体調不良が続いたから。妊娠初期から体調不良があり、結婚式も行なえなかった。結婚の挨拶は遠方で暮らす義両親が会いに来てくれたという。
「夫の実家は、私と夫が暮らす街から新幹線と特急などを利用しても3時間ほどの遠方でした。そこまで行く体力が妊娠中の私にはなかったんです。そんな私を見て、夫から義両親に来てほしいと頼んだみたいでした。
妊娠中は匂いにもすごく敏感になっていたので飲食店での顔合わせはかなわず、私の実家に義両親が来てくれました。妊娠がわかったのは付き合って2年ほどの頃で、結婚なんてまだまだ先だと思っていたので、結婚の挨拶で初めて義両親と顔を合わせました。私もできる限り仲良くお話をしたかったんですが、体調が続かず、最後のほうは別室で横になっていました」
出産後もしばらくは体調不良が続いて、家から数駅と近くにある実家に身を寄せていた。お宮参りも夫婦と啓子さんの両親で行なった。義両親が孫に会えたのは生まれて4か月ほど経った頃だった。
「義両親との直接のやりとりは夫がすべてやってくれていて、私はお祝いを送ってくれたときにお礼として夫がかけた電話を少し代わってもらうくらいでした。
夫にはすでに結婚して子どもがいる弟がいたので、私たちの子どもにはあまり興味がないのかなって思っていたんですが、そうではありませんでした。義両親の私の第一印象が最悪なだけだったんです」
夫の田舎で暮らすことになり、義両親を含めた夫の親族からの嫁いびりに遭う。【~その2~に続きます】
取材・文/ふじのあやこ
情報誌・スポーツ誌の出版社2社を経て、フリーのライター・編集者・ウェブデザイナーとなる。趣味はスポーツ観戦で、野球、アイスホッケー観戦などで全国を行脚している。