「相手はあなたの年齢に合わせているだけ」
仕事の相談をする中で19歳上の上司と仲良くなり、恋愛関係に。相手には友紀さんとは2歳差の21歳の大学生の息子がいて、バツイチだった。息子のことを楽しそうに話す姿に友紀さんはますます惹かれていったという。
「付き合う前にバツイチであること、別居中の子どもがいることを聞かされていました。当時私は23歳で、結婚とかは意識していなくて、ただこの人と一緒にいたい、付き合いたいとだけ思っていました。
でも、息子のことを愛しそうに話す姿を見ていると、その姿は優しい理想の父親像で、彼との未来をリアルに想像するようになっていきました」
結婚しようとなったきっかけは相手の息子が就職したこと。相手は「いつか」と結婚の約束をしてくれたというが、友紀さんは今すぐにでもしたいという気持ちになり、友紀さん25歳、相手が44歳のときに入籍することになった。
「相手の息子さんのことを障壁とは感じていなかったけれど、相手がプロポーズしてくれない理由にはなっていたのかなって。私は結婚したいと付き合っていく中で思っていたから、結婚について約束してくれたときに『いつ?』と詰め寄ってしまい、押し切った感じです」
友紀さんの両親は結婚に大反対した。友紀さんは両親に結婚を伝える前に仕事を辞める手配をしており、最初から反対されても押し切るつもりだったという。
「同じ職場で、付き合っていることも内緒にしていたし、相手の元妻と知り合いの人も会社の中にはいたので、一緒に働くことは厳しいと思って、結婚を決めたときに退職も決意していました。
親は結婚には大反対。4人で顔合わせのときには父親が反対するだけでじっと黙っていた母親からも、私と2人になったときに『結婚は譲り合い。年上の居心地の良さは、相手があなたに合わせてくれているだけ。それが結婚しても続くとは限らないからまだ様子を見たほうがいい』と言われました。母親は、父親との年の差婚への窮屈さを私にぶつけているだけな気がして腹が立ちました。『私はお母さんのようにはならない』と言って、家を出たんです」
2人は反対を押し切って入籍。専業主婦になった友紀さんと夫の関係性は、ある意味会社の中の延長となってしまう。【~その2~に続きます】
取材・文/ふじのあやこ
情報誌・スポーツ誌の出版社2社を経て、フリーのライター・編集者・ウェブデザイナーとなる。趣味はスポーツ観戦で、野球、アイスホッケー観戦などで全国を行脚している。