朝、腹痛で目が覚めるようになった
母親の目が気になり、歩美さんはパートから母親が帰宅した後にはトイレを我慢するようになった。お腹を下していたはずが、そこから便秘になり、お腹が張るようになったという。
「下痢よりはマシなのかもしれませんが、お腹が張ってガスを我慢することが大変になりました。そしてガスを我慢するからなのかお腹から頻繁に音がするようになったんです。そのせいで学校生活がよりきつくなりました。授業中に私のお腹の音がするんです。椅子を引く音などでごまかそうとしても高音で鳴ることが多くて、恥ずかしくて泣きそうになっていました」
学校に行くのが嫌で仕方なかった歩美さんは早朝に腹痛になるようになり、母親に学校で起きていることを泣きながらに訴えた。
「母親は『しばらく学校は休んでいいから』と言ってくれました。その言葉を聞いたとき、いいんだってホッとしたんですよね。結局休んでいたのは5日で、週末を挟んでいたから一週間ほどでした。
でも、母親から『嫌だったら帰ってきていい』と母親が言ってくれて、さらに先生にいじめのことは伏せて、お腹が弱いことを伝えてくれました」
母親はお腹に優しいメニューを歩美さんに作ってくれたり、学年が1つ上がったことで無視されていた元友人たちと離れることができたことで、腹痛は1日に3回以上の下痢を伴うときよりは落ち着いたという。しかし、何かがあるとお腹を下すところは変わらず。再び腹痛が酷くなったのは大学生のとき。そのときには家から出ることができなくなった。
【~その2~に続きます】
取材・文/ふじのあやこ
情報誌・スポーツ誌の出版社2社を経て、フリーのライター・編集者・ウェブデザイナーとなる。趣味はスポーツ観戦で、野球、アイスホッケー観戦などで全国を行脚している。