日本には、心和む「手みやげ」という言葉がある。文字通り、手に提げて持参する贈り物のこと。贈答品をデパートやお店などから宅配便で送ることが増えた昨今だが、手から手へと渡される贈り物「手みやげ」には、また格別の趣がある。
そんな温かさのある手みやげだが、ついつい買った店の紙袋に入れて持参してしまうことが多くなる。決して失礼なことではないが、ここでひと手間。ぜひとも提案したいのが、風呂敷を使うことだ。
一枚の四角い布でありながら、包む、運ぶ、まとめる、保護するなど、様々な役目を果たす風呂敷の用途は広い。しかも、四角や平たい箱ものだけでなく、丸い筒や瓶ものなど、どんな形のものでも自在に包むことができるのだから素晴らしい。
そんな風呂敷の基本の結び方である「ま結び」と、それを使った3つの包み方を紹介しよう。どれも知っておけば手みやげに使えそうな便利な包み方だ。
■まずは基本の「ま結び」の結び方
結び目がきれいにつくれると、包み全体の姿も見栄えがよくなるもの。まずは、ほとんどの包み方で使える「ま結び」をマスターしておこう。
![ま結び1](https://serai.jp/wp-content/uploads/2016/12/c75872ab0a09c2a5b73e1f3a1b244b74-e1481690714560.jpg)
(1)左右をしっかりと引いて一回結ぶ。
![ま結び2](https://serai.jp/wp-content/uploads/2016/12/407bb1be2daa7887fbca1c870c1a96c0-e1481690825247.jpg)
(2)中央の位置をきちんと決め、手前側の布に奥の布をかぶせ、くぐらせる。
![ま結び3](https://serai.jp/wp-content/uploads/2016/12/16da8f44441ddd91f69c8716c79d0de1-e1481690850219.jpg)
(3)左右をゆっくりと引きながら形を整える。
![ま結び4](https://serai.jp/wp-content/uploads/2016/12/5b169546e60c19c67576ea2f10020b1a-e1481690873987.jpg)
(4)結び目をしっかりと締め、左右の端の形を整えて完成。
■基本の包み方1:お使い包み
最も一般的で、あらたまった場面でも日常でも使える便利な包み方だ。
![お使い包み1](https://serai.jp/wp-content/uploads/2016/12/d03beb1437178ff19b593ebd88e1d5e0-e1481690932154.jpg)
(1)包むものを中央に置く。
![お使い包み2](https://serai.jp/wp-content/uploads/2016/12/c96a0df3899f8d9dce72cb061a705ba9-e1481690990336-500x280.jpg)
(2)手前bを箱にかぶせ、次に向こうaを箱にかぶせる。
![お使い包み3](https://serai.jp/wp-content/uploads/2016/12/5ec9faa49ab82d123b6fc126b220f6a9-e1481691043949-500x343.jpg)
(3)左右c、dを真結びして完成。
■基本の包み方2:平包み
結び目をつくらない、フォーマルな包み方。目上の方や、年始のご挨拶の品を持参するときにこの包み方がおすすめ。
![平包み1](https://serai.jp/wp-content/uploads/2016/12/dce864a1ea6fc228acc74a8907c4f74b-e1481691124847.jpg)
(1)風呂敷の対角線の中央に内容物を置く。
![平包み2](https://serai.jp/wp-content/uploads/2016/12/6da7dbfb46e089ac886eb2289a1b61a4-e1481691164662.jpg)
(2)bの端を内容物にかぶせる。
![平包み3](https://serai.jp/wp-content/uploads/2016/12/95ed9d534ed58360f0e310cc6514593d-e1481691210846.jpg)
(3)cの端を内容物にかぶせる。
![平包み4](https://serai.jp/wp-content/uploads/2016/12/510bf4637c545e4455bc3a909ac11d92-e1481691265338.jpg)
(4)dの端を内容物にかぶせる。
![平包み5](https://serai.jp/wp-content/uploads/2016/12/90be1ecbf22f2850a08735a440425834-e1481763658589.jpg)
(5)手向こうのaの端をもって手前にかぶせて完成。
■基本の包み方3:ビン包み
びんなどの長いものをつり下げて持ち運べる包み方。お気に入りのワインや日本酒の手みやげに、ぜひとも使いたい。
![](https://serai.jp/wp-content/uploads/2016/12/8190cc956bc421f1c69b7d7f5b53f5f2-e1481765082714-500x361.jpg)
(1)風呂敷の中央にびんを置く。
![一升瓶包み2](https://serai.jp/wp-content/uploads/2016/12/f592342288c43afae1561ab129da4dcb-e1481765162253.jpg)
(2)aとbを持ち、先端をビンの口の上で真結びにする。
![一升瓶包み3](https://serai.jp/wp-content/uploads/2016/12/372a69e2e71b167fd9c2dff8460d9469-e1481765227397.jpg)
(3)bとcを持ち、ピンと張るように左右に引く。
![一升瓶包み4](https://serai.jp/wp-content/uploads/2016/12/f8b14a50c72ecd62b0a5110a15183328-e1481765266453.jpg)
(4)図3のbとcを後ろで交差させる。
![一升瓶包み5](https://serai.jp/wp-content/uploads/2016/12/1e32fd7370fd7d15a957eecdcca71a48-e1481765300853.jpg)
(5) びんを反対側にまわし、正面でま結びをして完成。
以上、風呂敷の基本の結び方と、包み方を3つご紹介した。
風呂敷の結び目をゆるりと解いて包みを開き、どうぞ、と贈り物を差し出す。その瞬間に通い合う、贈り手と受け手の心。美しい姿形の風呂敷包みで、年末年始の挨拶の贈り物を手渡したい。
【参考リンク】
※ 日本風呂敷協会
http://www.japan-furoshiki.jp/
※ 京都「宮井」
http://www.miyai-net.co.jp/index.html
文/堀けいこ
画像協力/日本風呂敷協会、京都「宮井」(ふろしき)
![](https://serai.jp/wp-content/uploads/2016/12/3d63ad558fe54866c6a3274dc8e56c58.jpg)