【義家族との間】「がんのおかげだとは思えない」不倫相手から妻になった女性の人生～その１～

お互いの不倫が発覚しても、夫婦は離婚しなかった

相手の男性夫婦には子どもがいなかった。しかし、関係を続けて３年が経った頃に男性の妻が子どもを出産していたことがわかる。別れの危機だったが、それを「意地で踏ん張ってしまった」という。

「会社では子どもに恵まれない人とかもいて、そこまで子どもが生まれたとかを大っぴらにしていなかったんです。でも、私と近しい人がその情報を仕入れて、お金を出し合って出産のお祝いを買おうということになって……。

別れようと思いました。でも、なぜ私がフラれる立場なんだって思うと腹が立ってきて。もう戻る彼氏もいなかったし、不倫相手がそれでも一緒にいたいと言ってくれたので、一緒にいることにしました」

そのまま付き合いが続く中、梨花さんの知らないところで相手の夫婦が別居することに。梨花さんとの不倫がバレかけたことに加え、相手の妻にも不倫が発覚していた。

「私とのLINEを見られたみたいで、『不倫を疑われているからしばらく連絡できない』と言われました。その頃には私は転職して別々のところで働いていたので、２か月ほど連絡は一切とっていませんでした。

私は当時32歳。このままフェードアウトされるんだって思っていたのに、２か月後に『別居した』と連絡があったんです。奥さんにも不倫が発覚して両成敗、とりあえず別々に暮らそうとなったようでした」

普通の恋人同士のように家を行き来する関係に。それでも結婚したいと思わなかった梨花さんに病魔が襲う。【～その２～に続きます】

取材・文／ふじのあやこ
情報誌・スポーツ誌の出版社２社を経て、フリーのライター・編集者・ウェブデザイナーとなる。趣味はスポーツ観戦で、野球、アイスホッケー観戦などで全国を行脚している。