同棲中から冷蔵庫には母親が作った総菜があった
美容院を辞めたのは、拘束時間の長さと周囲で行われていた陰湿ないじめを目の当たりにしたから。次に働き始めたアルバイト先がきっかけで今の夫に出会う。
「人間関係に疲れてしまったんです。私はいじめのターゲットではありませんでしたけど、そんな意地が悪い先輩にいい顔するのも、同期を守る勇気がない自分も嫌になって……。私が辞めたことで、いじめられていた同期も辞める勇気が湧いたようで、そこだけは役に立ったかなと。
次に働きだしたのは、カフェでした。周囲に色んな飲食店があるところで、居酒屋やレストランバーなど競合ではないお店とは交流があって、夫は2つ隣のレストランバーで働いていました。出会ってから4年ほど付き合って結婚しました」
夫は4歳上で、お店が深夜まで営業していることもあり、お店の近くで一人暮らしをしていた。付き合ってすぐに同棲することになったというが、同棲中から夫の母親の存在を強く感じていたという。
「1人暮らしの男性なのに、タオルやお皿がセットで揃えられていたり、手作りっぽい総菜や梅酒などもありました。最初は浮気を疑っていたんですが、同棲を始めてすぐに母親だと紹介されたので。
義母は同棲にも特に反対はされませんでしたし、結婚も喜んでくれました。ちょっと干渉してくるにしても夫だけだろうから我慢できると結婚したときは思っていました」
結婚後に小さい頃からずっと続いていたお小遣いが発覚。干渉は低収入の息子だけに留まらなかった。【~その2~に続きます】
取材・文/ふじのあやこ
情報誌・スポーツ誌の出版社2社を経て、フリーのライター・編集者・ウェブデザイナーとなる。趣味はスポーツ観戦で、野球、アイスホッケー観戦などで全国を行脚している。