政府は「高年齢者雇用確保措置」を策定し、定年の引き上げや廃止、または継続雇用を推奨しています。実際には、72.3%の企業が定年を60歳とし、多くの企業が継続雇用制度を導入しています。
株式会社カケハシ スカイソリューションズ( https://www.kakehashi-skysol.co.jp/)は、各業界の転職環境やキャリア形成について、専門家への独自取材に基づいた情報をお届けする『転職hub(ハブ)(https://www.kakehashi-skysol.co.jp/media/)』にて、事前調査として60代の男女に「定年退職をしたか」と質問。その内「定年退職した」と回答した男女に限定し、仕事とお金に関する実情を聞きました。

定年後の仕事とお金に関する調査の結果

定年後の60代の66%が「働いている」と回答

定年退職後の60代の人を対象としたアンケート調査で「定年退職後に仕事をしていますか?」と質問したところ、60代全体では働いていない人が34%、働いている人が66%でした。

60~64歳と65~69歳に分けてみると、60~64歳の78%が働いており、その内、51%の人が「継続雇用制度」で仕事を続けていることがわかりました。

定年後も働いている人の雇用形態は「嘱託・契約社員」が多数

「働いている」と回答した727人に雇用形態を質問。60代前半と後半に分けて多い順に並べました。

60~64歳
雇用形態
60~64歳
割合
65~69歳
雇用形態
65~69歳
割合
嘱託・契約社員49%嘱託・契約社員37%
正社員29%パート・アルバイト29%
パート・アルバイト14%正社員22%
・自営・個人事業主
・フリーランス
6%・自営・個人事業主
・フリーランス
6%
その他2%その他3%

一番多かったのは、60代前半・後半ともに「嘱託・契約社員」でした。
2位と3位は、60代前半では「正社員」が多く、次いでパート・アルバイトでしたが、60代後半では「パート・アルバイト」が2位に来ており、逆転する結果となりました。

「再雇用で定年前と同じ職種」で働く人が多いが、60代後半には変化あり

定年前からの職種の変化を聞いたところ、圧倒的に多かったのが「再雇用で定年前と同じ職種」でした。

しかし60代全体で見ると、2番目に多かったのが「再就職・起業で定年前と異なる職種」という結果になりました。継続雇用で65歳まで同職種で働き、65歳以降に新たな仕事に就くパターンが多いということがわかりました。

培った知識やキャリアを定年後も生かしている

現在の仕事を選んだ理由を聞いてみたところ、圧倒的に「これまでの経験や知識を活かせるから」という理由が多くなっています。

やはり、培ってきた経験や知識が定年退職後の仕事につながっていることがわかります。

60代前半は主な収入源は「給料」、後半では「年金」に変化

収支に関する事情についても回答では、主となる収入源は、60代前半と後半で大きく変化があります。

60代前半は65%が「自分の仕事の収入」であり、60代後半の60%が「年金」と回答。65歳を機に、生活費の主体が年金に変化していることがわかりました。

世帯人数別の収支についても調査

月の平均支出や収入は、世帯人数との関連性が強いため、1人世帯~5人以上世帯に分けて調査結果を分析。
支出は、2人以上の世帯では20~30万円、1人世帯では10~20万円が最も多いという結果になりました。
また、回答者自身の月の収入は1人世帯と2人世帯ともに10〜20万円が多いようです。

定年後の不安は「生活資金の不安」が上位

「定年退職後の悩みはありますか?」と聞いたところ、60~64歳、65~69歳ともに「生活資金の不安」が上位に入っています(回答数は60〜64歳が212人、65〜69歳が239人)。

60~64歳65~69歳
悩みの内容人数悩みの内容人数
生活資金の不安212人特にない239人
特にない208人生活資金の不安192人
仕事にやりがいを感じられない49人社会との結びつきが
希薄になったと感じる
47人
社会との結びつきが
希薄になったと感じる
33人毎日の生活に張りがない。25人
毎日の生活に張りがない21人仕事にやりがいを感じられない18人
住居に関する不安15人住居に関する不安6人
その他10人その他11人

そして、60~64歳で3位になった「仕事にやりがいを感じられない」(49人)が65~69歳では5位(18人)になり、その代わりに「社会との結びつきが希薄になったと感じる」が3位(47人)に入っています。年代によって重視することが「仕事」から「社会」へと移行していることがうかがえます。

定年後と仕事とお金のアンケート調査概要
調査名 :定年後の仕事とお金に関するアンケート調査調査
調査方法:ジャストシステム株式会社「Fastask」を用いたインターネットリサーチ
調査地域:全国
調査期間:2023年2月21日~3月1日
調査対象:60〜69歳の男女1100人
調査元 :株式会社キュービック

 

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