60代以上の男女を狙った、ロマンス詐欺

親の恋愛問題の調査依頼も最近は増えています。中には詐欺まがいのものも多く、親に老後資金がなくなったことにより、子供の負担が増える例もあります。

近年あった事例は、80代の父親がマッチングアプリで知り合った30代の女性に200万円以上のお金を振り込んでいたケース。これは女性が「シングルマザーで困っている」と嘘をつき、父親をだましていたのです。

女性の事例で多いのは、SNSを通じて出会った相手からの詐欺まがいの行為。最近も、60代の母親がSNSで知り合った40代の男性に、老後資金の大半を切り崩して貢いでいたケースがありました。男性は母親に結婚をほのめかしていたのです。

このように、恋愛にも意欲がある60代以上の人々の財布を狙い、手練手管を駆使して、財産を奪おうとする人は多いです。

また、60代以上の世代は詐欺被害に遭ったことを「恥ずかしい」と他言したり、被害届を出さないことも多々あります。

「私が心配しているのは、まさにそのことです。先日、父がたまたま家に帰って来たときに、派手なブランドの服を着ていて、“これは交際している女性に買わされたな”と直感しました」

早智子さんの父は、親から譲り受けた会社を経営しています。業績は右肩下がりで、かつて20人ほどいた社員も、現在は2人ほど。

「社長が女にうつつを抜かしていればそうなりますよね。夏はサーフィン、冬はスキーと遊び歩いているんですから。父はお坊ちゃん育ちで明るく憎めないところがあります。貧乏な家庭に育ち、少女のまま結婚したような母は、父のそんな天真爛漫なところが好きになったんでしょうね」

父のことを語る口調は冷たく、早智子さんの長い苦しみを感じます。

「母の1周忌が済んだら、父と決別したいんです。法律的に親子の縁は切れませんが、自分の中では切ろうとしています。女性に騙されているようなら、目を覚まさせたいですし……。これまで、父に愛人がいるのは知っていましたが、現場を見たことはありませんでした。私と母を苦しめてきた女性の存在を見たいという好奇心もあります」

【父の会社の業績が悪い原因も判明……その2に続きます】

探偵・山村佳子
夫婦カウンセラー、探偵。JADP認定メンタル心理アドバイザー、JADP認定夫婦カウンセラー。神奈川県出身。フェリス女学院大学卒業。大学在学中に、憧れの気持ちから探偵社でアルバイトを始め、調査のイロハを学ぶ。大学卒業後、10年間化粧品メーカーに勤務し、法人営業を担当。地元横浜での調査会社設立に向け、5年間の探偵修業ののち、2013年、リッツ横浜探偵社設立。依頼者様の心に寄り添うカウンセリングと、浮気調査での一歩踏み込んだ証拠撮影で、夫婦問題・恋愛トラブルの解決実績3,000件を突破。リッツ横浜探偵社 http://www.ritztantei.com/

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