離婚して10年、再婚後も元義弟との付き合いを続ける夫

前の結婚では結婚式ができていない詩さんの思いをくみ、親と友人を誘ってレストランウエディングを行なった。その場には夫側の友人が多く集まり、その中には夫の息子もいたという。

「本当に、これがやりたかったと思うような結婚式をしてくれました。2人で相談しながらイチから決めて、その過程も本当に楽しかった。

結婚式の前に夫の息子さんとも会っていたんですけど、そのときは『今さら、好きにしなよ』という態度だったのに、笑顔で参加してくれて、嬉しかったですね」

ところが、結婚式に参加できなかったという夫の友人から、「新しい奥さんを紹介してほしい」と言われていると夫から聞かされたことで夫婦関係は早々に亀裂が入ってしまったという。その相手は、元妻の弟だった。

「夫が離婚したのはもう10年以上前なのに、いまだに元義弟と交友が続いていたなんてびっくりでした。夫は家に招きたいと言い出して、私は2人の空間にそんな人が入ることは絶対に嫌だったんです。『新しい奥さんを紹介』っていうところにも何様だよって思いましたし。夫からは、『元奥さんは再婚しているから』と私が嫉妬していると勘違いしたみたいで、そんなところもデリカシーがないなって感じました」

夫の元義弟というもう赤の他人に対して夫婦では付き合いたくないと詩さんは拒否。夫と元義弟とのつき合いまでは止めるつもりはなかったが、夫の納得いかないような態度に言い返してしまい、夫婦生活は早々に価値観の違いが浮き彫りになってしまう。

「私が、『再婚したのだから元親戚という赤の他人とは縁を切るのが普通でしょう』と強く言ってしまい、夫からも『自分の友人であり、結婚したからといってそこまで強制されたくない』と言い返してきて。会話はずっと平行線でした。

夫は最後に『残念』とだけ私に聞こえるか聞こえないかの声で言いました。私が心が狭くて残念な人間なのか、再婚後に元親族との付き合いを続けるほうが普通なのか、どっちが正解なのか、教えてくれませんか」

* * *

離婚後の元義家族との付き合いは、子どもの有無によって、どちらかが離婚原因になっている場合など、状況により大きく異なる。関係も良好で子どもを介した状況であれば、義理で元義両親の葬儀などには参列することもあるが、再婚後はそれも控える人が多いという。

詩さんの夫と元義弟の付き合いは義理ではなく友情とのことだが、付き合いを続けることよりも、その付き合いに詩さんを含めようとしたことが間違いだったのではないだろうか。元義家族という赤の他人との交流に再婚相手を含めようとするのは揉め事の種を自ら作っているようにも感じられた。

取材・文/ふじのあやこ
情報誌・スポーツ誌の出版社2社を経て、フリーのライター・編集者・ウェブデザイナーとなる。趣味はスポーツ観戦で、野球、アイスホッケー観戦などで全国を行脚している。

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