みなさんは、将来の資金づくりのために何をされていますか? 毎月の収入の中からコツコツと積み立てたり、ボーナスのお金を少しよけて貯金にまわしたりすることは、とても大切なことですね。

ただ、近年の超低金利の世の中においては、預金に置いていてもほとんど利息はつきません。お金を効率的に増やすためには資産運用が必要ですが、「資産運用はやったことがないし、よくわからないから怖い」という方も多いのではないでしょうか。そもそも資産運用とは何か? そして、初心者が安心して取り組むためのポイントは何か?

日本人の新しい働き方、新しい生き方をサポートしている、SMILELIFE projectのファイナンシャルプランナー・藤原未来が解説します。 

目次
資産運用とは
初心者におすすめの資産運用
資産運用を始めるにあたってのポイント
まとめ

資産運用とは

そもそも「資産運用」とは何でしょうか? 「資産」を「運用」するということですから、持っている資産を活かして、何かの目的のために用立てていくことを指します。例えば、「預金」も資産なので「資産運用」の1つになります。

他にも、株式や国債、投資信託といった「有価証券」による資産運用や、「不動産」による資産運用などが、世間一般的な「資産運用」のイメージといえますね。要するに何かしらの資産を使って、お金を増やすことを「資産運用」と呼ぶわけです。

「資産運用」を考えるときには、「流動性」「安全性」「収益性」の3つの側面から見る必要があります。もしも、来年や再来年などの短期的な資金のためであれば、「流動性」と「安全性」を重視し、元本が保証されるような「預金」に預けるのが安心です。

一方、10年以上にわたり、手を付けなくて良い資金については、「収益性」が重視されるので、「預金」ではなく「有価証券」や「不動産」といったものが投資の対象となります。

そして、資産運用によって得られる収益は2つあります。それは「インカムゲイン」と「キャピタルゲイン」です。
「インカムゲイン」とは、その資産に投資することにより、預金や国債からの「利息収入」や、株式からの「配当金収入」といった定期的な現金収入のことを呼びます。また、不動産からの「家賃収入」もこれに該当します。定期的な現金収入を必要とするかどうかがポイントです。

一方で、「キャピタルゲイン」とは、投資した元本そのものの「値上がり益」のこと。主に、株式や投資信託や不動産などのように、値動きのあるものから生じるものです。値上がりするだけでなく、値下がりする可能性もあります。その場合は「キャピタルロス」といい、「元本割れ」の状況になります。

このように、資産運用を考える場合には、「インカムゲイン」目的か、「キャピタルゲイン」目的かを明確にする必要があります。 一般的には、年金暮らしをしている人にとっては、「インカムゲイン」が必要で、まだ子育て世代の若い家庭では、時間をかけて将来資金を作るための「キャピタルゲイン」を必要とすると言われています。

資産運用を始める前に、自分自身にとって資産運用する目的や意味といったものを、しっかり把握した上で行う必要があります。

初心者におすすめの資産運用

資産運用をしたことのない方や、慣れていない初心者は、まずは資産運用について、しっかり学ぶ必要があります。
資産運用するにあたっては「リスク」とつき合うことになります。初心者が陥りがちな失敗は、「利益」ばかりに目がいってしまい、思わぬ結果を招いて「損失」を被ることです。

まずは、「リスク」のことを理解して、自分が預けるものが将来どういう結果を招くのかということを、ある程度把握した上で始めるべきです。資産運用における「リスク」とは、簡単に言うと将来の収益の「振れ幅」のこと。投資した資金は増えたり減ったりすることがあり、この不確実性のことを「リスク」と言います。

今、自分が投資するものが、どれぐらいの利回りで増える可能性があるのか? 3%なのか、5%なのか、あるいは8%なのか? 始める前にターゲットとされる利回りを決めます。それと同時にどれぐらいの幅をもって「値動き」するのかをチェックします。

<図表1>

例えば、<図表1>のように、5%の年平均利回りに対して10%の「リスク」があるという組み合わせの分散投資の場合、100万円を投資すると、平均的には1年後には105万円に増えます。しかし、その年のマーケット状況によっては、5%に対しプラス10%上振れして、100万円が115万円になることも。しかし、逆に5%に対しマイナス10%下振れして95万円になり、5万円元本割れすることも想定されるというようなことになります。

<図表2>

このように、自分が投資するものが、将来どのようになる可能性があるのかをしっかり把握したうえで 始めることが、投資をするうえでの第一歩になります。

特に初心者の場合は、慣れないところがあると思います。最大の下振れリスクを把握した上で、元本割れしてしまったとしても、受け入れられる金額に抑えて、なるべく慎重に始めるとよいでしょう。 慣れてきたら、少しずつ金額を増やしていくことができると思います。

資産運用を始めるにあたってのポイント

資産運用を始めるにあたり、必ずチェックしなければいけないことがあります。それは、自分自身の投資可能額を知ること。たまに見かけますが、資産運用に焦って、自分自身の投資可能金額以上の資金をつぎ込み、その結果、運悪く失敗。そして、大事な資金を目減りさせ、使いたい目的に使えないという悲惨な状況になってしまうという失敗例があります。

みなさんにいつもお伝えしていますが、資産運用は、自分自身の身の丈に合った無理のない金額でするべきだということです。すでに、金融資産がある場合は、今後10年間に必要な特別支出(教育資金や住宅購入資金など)の合計額を保有している金融資産から、除いた残りの金額が投資可能額になるので、その額を上限として投資に回すことを強くお勧めします。

一方、若い人でこれから資金づくりをして行くために積立を始める場合には、今から10年以上先の資金づくりには積立投資という形で、資産運用をすることができます。例えば、今30歳の夫婦で、子供が生まれたばかりのケースでは、その子供の中学、高校、大学の教育資金は、今から10年以上先の資金になりますので、今のうちから積立投資をして「リスク」と付き合いながら資金づくりをすることが可能です。

まとめ

自分自身の「投資可能額」を正確に把握するためには、将来の収支を反映させたライフプランを作って、今から10年後、20年後の資金の推移をシミュレーションしてみると良いでしょう。自分自身で作るのが難しい場合には専門家であるファイナンシャルプランナーに依頼することをお勧めします。商品販売をしない中立的なファイナンシャルプランナーは、相談者の立場に立って最適な資産運用を考えてくれます。

●構成・編集/内藤知夏(京都メディアライン HP:https://kyotomedialine.com FB:https://www.facebook.com/kyotomedialine/

●取材協力/藤原未来(ふじわらみき)

株式会社SMILELIFE project 代表取締役、1級ファイナンシャルプランニング技能士。2017年9月株式会社SMILELIFE projectを設立。100歳社会の到来を前提とした個人向けトータルライフプランニングサービス「LIFEBOOK®サービス」をスタート。米国モデルをベースとした最先端のFPノウハウとアドバイザートレーニングプログラムを用い、金融・保険商品を販売しないコンサルティングフィーに特化した独立フランチャイズアドバイザー制度を確立することにより、「日本人の新しい働き方、新しい生き方」をプロデュースすることを事業の目的とする。

株式会社SMILELIFE project(https://www.smilelife-project.com

 

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