自分と義父とのつながりだった母親が、高校生の時に亡くなった
しかし、ある事態が起こり、家族のバランスは急に崩れ始めたと言います。
「母親が病気で亡くなったんです。私が高校生の頃でした。ずっと専業主婦だったから検査などもまったく受けていなかったので、体調不良で病院に行った時にはすでに厳しい状況でした。義父や妹には申し訳ないけど、唯一の肉親がいなくなる恐怖がすごくて。うちの家は離婚だから実際には父親はいたんですが、どこかにいるといった状況で、義父がいる手前、実父の居場所を祖父母などに聞くこともできませんでした。それも誰かに禁止されていたわけじゃないのに、今振り返ると私は余計な心配が多いんですよね……」
母親が亡くなってからももちろん、雄一さんはそのまま実家で過ごします。高校卒業後は大学へ進学。資金は義父が負担してくれました。
「感謝しかないです。母親が亡くなる前から大学進学を希望していたけど、本当に行っていいのかなって、働いて家を出るべきじゃないかなってずっと思っていたから。でも、義父は当然のように、予備校まで通わせてくれました」
大学卒業後に実家を離れての生活をスタート。家を出た後も義父との良好な関係は続くものの、妹とは希薄な関係になっていき……。【~その2~に続きます】
取材・文/ふじのあやこ
情報誌・スポーツ誌の出版社2社を経て、フリーのライター・編集者・ウェブデザイナーとなる。趣味はスポーツ観戦で、野球、アイスホッケー観戦などで全国を行脚している。