姉の結婚と離婚、そして自身の結婚。独身を貫く姉には小さい頃の思いがある気がした
32歳の時に達也さんは社会人になり知り合った女性と結婚。そして結婚して3年後とさらに1年後に子宝に恵まれます。
「嫁には言えないけど、当時はまったく結婚願望はありませんでした。彼女と周りの雰囲気に流されてという感じでしたね。彼女とは数年同棲してから結婚したんですが、結婚してからの二人暮らしの時はどこか窮屈で……。でも、子供が生まれてからは大変だけど、もうかわいくて仕方ないんです。それまではまったくカメラなどに興味もなかったのに一眼レフを買って撮影しまくっています(苦笑)。
それに実家に帰ることが多くなりましたね。ありがたいことに嫁と母親の仲がうまくいっていて、子供たちもおばあちゃんに会いたいとよく言うから。結婚する前からは考えられないほど、ほぼ実家にいます」
そしてお姉さんとの関係にも変化が訪れたそう。
「お互いに子供がいるから、会いに行けるというか。姉の子は女の子なんですが、面倒見が良くて、子供たちも懐いてくれています。若い頃は嫌だった親戚付き合いを自分の代からしてしまっているんですよね(苦笑)。
そこから姉ともよく2人で思い出話をするようになり、そこで、写真がないこと、顔が似ていないことなど当時辛かった気持ちなどを聞いたんです。そして姉は前から、この先もずっと再婚は考えていないといいます。それはきっと、自分と同じ思いを子供がするかもしれないからなんですよね。僕の立場からはその部分は深く聞くことができないんですが」
その後もお姉さんは独身を貫き続けているといいます。その姉の決意から達也さんもある思いを語ります。
「僕は絶対に何があっても離婚はしません。親の都合で子供を振り回してはいけない。大人になってもその傷は残ってしまうから」
取材・文/ふじのあやこ
情報誌・スポーツ誌の出版社2社を経て、フリーのライター・編集者・ウェブデザイナーとなる。趣味はスポーツ観戦で、野球、アイスホッケー観戦などで全国を行脚している。