「こんな子をもらってくれてありがとう」と義両親は言った
明子さんは、学生時代こそ彼氏がいたこともあったそうですが、社会人になり恋愛は長期休止に。家族に結婚を急かされたきっかけは、妹の結婚だったとか。
「元々恋愛が得意じゃないというか(苦笑)。友人と遊ぶだけでも楽しかったし、いずれは結婚したいな~という感じで、漠然と思っていたけどそこまで本気で考えていませんでした。30歳を超えてもそんな感じでしたね。ずっと実家で生活をしていたので、母親が、付き合っている男性はいるのかどうか聞いてくる程度だったんですが、妹の結婚で風向きがガラリを変わって。いきなり首を突っ込んできた父親から、お見合いをするよう迫られて最初は嫌々始めました」
断り切れずに、親族の知り合いの紹介や地域支援のお見合いをしていたそうですが、そこで今の旦那さまと出会います。
「お見合いは親族の知り合いの方や、私の暮らす地域がお見合い支援をしていたのでそこでお見合いしたりとか。最初から断るつもりなのに、断られたら地味に傷つきましたよ……。そんな中で今の夫と出会いました。何回目かは言えませんけど(苦笑)。夫は人当たりが良くて、最初から会話が弾んで楽しかった記憶が残っています。形式はしっかりしているものではなかったので1回目のお見合いで連絡先を交換して、その後普通にデートを重ねて、半年後には入籍をしました」
義両親にご挨拶に行ったとき、旦那さまのことを本人がいる前で非難したそう。
「私のことをとても歓迎してくれたんですが、夫がいる前で『こんな子をもらってくれてありがとう』と。最初は謙遜しているのかなと気にしなかったのですが、何度もそんな言葉を繰り返し聞かされて……。確かに逆に『こんないい子なの』と言われたら、それも違和感があったと思いますが、否定する言葉があまりに多くて、それに無関心の夫の態度にも違和感を覚えました」
謙遜と勘違いした夫への非難は、子どもの前でも行われ……。【その2に続きます】
取材・文/ふじのあやこ
情報誌・スポーツ誌の出版社2社を経て、フリーのライター・編集者・ウェブデザイナーとなる。趣味はスポーツ観戦で、野球、アイスホッケー観戦などで全国を行脚している。