自分がいなくなった後、日記やスマホ、パソコンデータなど、個人情報のあるものはどうするべきでしょうか? 日記だけでなく、フェイスブックなどのSNSはどんな対応をすればよいかというデジタル時代の現代ならではの問題が注目されています。
そこで、事前にどのように準備しておけば良いのか、「個人情報」の上手な遺し方についてご紹介していきます。
■1:日記について
もし誰にも読まれたくないのなら、自分で処分をするしか方法はありません。読まずに棺に一緒に入れてほしいときは、時前に家族に伝え、その旨を書き残しておきましょう。
家族にぜひ読んでほしい時も、その旨を書き残しておいた方が、家族も盗み見ているような後ろめたさを感じずに躊躇せずに読めるはずです。一度読み返してみて、読まれても差し障りのない内容かどうか確認しておいたほうがよいでしょう。
■2:スマホについて
スマホや携帯電話に画面ロックのパスワード(パスコード)を掛けているのであれば、パスワード類をまとめてノードなどに記載して保管しておきましょう。いざというとき、家族がスマホから知り合いの連絡先を知りたい場合もあるので、保管場所についても伝えておきましょう。
もし誰にも見て欲しくない人は、そのように書面に残し、パスワードは誕生日などわかりやすいものを避けて設定し直しておきましょう。
また、携帯電話の解約等はパスワードがなくても可能ですが、契約解約に必要な携帯電話の会社名、サポートセンターの連絡先などは、きちんと記載して家族に伝えておきましょう。
■3:パソコンについて
どのように処分してほしいのか、処分を誰に頼むのかを予め決めてお願いをしておきましょう。
サポートセンターの連絡先、プロバイダー契約の会社連絡先、ユーザーID 、メールアドレス、パスワードなど、必要になるかもしれない情報は、ノートなどに書いて保管しておくことが大切です。
プロバイダーによっては「承継」という手続きをとることで、契約者のユーザーID、メールアドレスなどを家族に承継させることができます。ただし承継してほしくない場合は、生前にプロバイダーに対して意志申告をしておくこともできます。そのような対応ができるかどうか契約しているプロバイダーに確認しておいてください。
家族が必要になると思われる住所録やメールなどはプリントアウトしておくか、データをUSBメモリなどに保存しておく、画像もUSBメモリなどに移しておくなどしておくと、家族も助かるでしょう。
■4:ブログやSNSについて
ブログもSNSも、そもそもが不特定多数の人に公開することを前提としているので、そのままにしておくことも選択肢のひとつです。ただし、誰でもコメントできるようになっていると荒らされてしまう可能性があるので、そういう「荒らし」対策として、コメント欄の閉鎖などの設定をしておくのもよいでしょう。
閉鎖を希望するなら、パソコンと同じように事後処理や手続きを誰かにお願いしておきましょう。直接了承を得ておき、書面にも残しておくと安心です。その際は、ブログのアドレス、ユーザーID、パスワード、登録時のメールアドレス、サポートセンターの連絡先についても記載して保管し、保管場所を伝えておきましょう。
フェイスブックは、前もって設定しておくと「追悼アカウント」への移行ができます。追悼アカウントへの移行は、家族または友人が、フェイスブックのヘルプセンター画面からリクエストを行ないます。アカウント削除の場合は、個人の近親者であることを証明できる人に限りリクエストできます。
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以上、「個人情報」の上手な遺し方についてご紹介しました。
自分がいなくなった後、個人情報を見られてもいいかどうかによって事前の準備が大きく異なります。見られても良い場合でも、その遺志を伝え、パスワードなどの保管情報を共有しておくことが、残された周囲の人にとって一番良い方法でしょう。
文/庄司真紀