リタイア後のサライ世代の方にはとくに、仏教に関心を持っている方もおられるだろう。だが、本格的に仏門修行してみたい、あるいは出家得度したい、とは思っても、素人にはなかなか垣根が高いのも事実だ。
東京国際仏教塾は、伝統宗派の枠を超えて仏教について学ぶことのできる、通信制の仏教塾である。学問として広く仏教を知りたいという人から将来的に僧侶を志す人まで、年齢・性別を問わず学べる場だ。
1988年に、塾長である浄土真宗・光明寺住職の大洞龍明師が「60歳という人生の節目を機会に、仏教に基づいた人生を歩んでいくことをすすめる「還暦得度運動」を提唱して発足させたもの。そのような原点に基づき、現在も「仏教入門の場」として広く門戸を開いている。
規則に縛られるようなものではないだけに、志望動機も「社会貢献をしたい」「介護の仕事に仏教の考えを役立てたい」というようなものから、「心の平安を求めたい」「僧侶の道を歩みたい」といったものまでさまざま。考え方や希望、環境などに応じて、仏教の思想を広く役立てることを目的としているのである。
そんな東京国際仏教塾の履修期間は1年で、前半の「仏教入門課程」(4月~10月)と後半の「宗旨専門課程」(11月~翌3月、入門課程修了者が対象)に分かれている。うち入門課程は通信教育(スクーリング1回・レポート提出3回)を主体にしているので、初心者でも安心して参加できるという。
なお宗旨専門課程に進むと、日本仏教の代表的な7つの伝統宗派の中からひとつを選んでさらに専門的に学び、卒業後には出家得度を許可していただく僧侶の紹介を受けることも可能という。ちなみに卒業生の得度者は累計650名以上(2015年まで)におよぶそうだ。
僧侶を目指すかどうかは別としても、「仏教のことについて深く知りたい、本格的に学んでみたい」という気持ちを持っている方にとっては、いい機会になりそうだ。
【問い合わせ先】
東京国際仏教塾
電話:03-3809-5930(事務局)
http://www.tibs.jp/
※来年4月開講の第30期生(2017年度生)の募集は、2016年11月25日(金)から開始されます。
取材・文/印南敦史