新着記事

猫を2匹以上飼うなら子猫のうちからがいい? 多頭飼いのウソホント|猫を2匹以上飼うなら子猫のうちからがいい? 世界的権威が絶賛するジャパニーズウイスキーの至宝「あかし2015」限定発売 シニアの再就職|再就職の際、最も苦労したことは「年齢制限の壁」 シニアの再就職|立ちはだかる「年齢制限の壁」と「スキル・経験不足」 「カロリーゼロ」は救世主?! その副作用に要注意!!【予防医療最前線】 「カロリーゼロ」には副作用がある【予防医療最前線】 久留米織りの作務衣|先染め織りで仕立てた風合い豊かな万能着 宇津ノ谷明治トンネルの入り口 「インフラツーリズム」流行中|第一人者が語る「トンネル歩き」の魅力とは? ウィーダはロケットペンダントに大好きな犬の写真を入れて身に着けていました 『フランダースの犬』は死んでいない?| 原作者ウィーダ女史の数奇な人生 定年後も安心! 桐谷さんの株主優待生活 夢の株主優待生活!?|『定年後も安心! 桐谷さんの株主優待生活 50歳から始めてこれだけおトク』 けやきの茶入れ|山中漆器の工房から生まれた愉快な茶入れ サライ世代に聞いた「どの電子マネー使ってますか」ランキング|ダントツ1位はSuica

サライ本誌最新号

ピックアップ記事

>>過去の記事へ

サライの通販

>>過去の記事へ

全国の美味がお取り寄せいただけます

趣味・教養

写真家エバレット・ブラウンが撮り続ける「失われゆく日本」のかたち

幕末に来航したペリー提督の随行写真家の一族で、日本をテーマに写真を撮り続けている写真家のエバレット・ケネディ・ブラウンさんが、単著『失われゆく日本』を刊行した(小学館刊)。

エバレット・ケネディ・ブラウンさん/1959年アメリカ生まれ。1988年に日本移住。京都ジャーナル寄稿編集者、文化庁長官表彰(文化発信部門)受賞者、首相官邸や経済産業省クールジャパン官民有識者会議委員、諸省庁の文化推進カウンセラーを務める。公家の近衞忠大さんらと設立した会所プロジェクト理事、京都府観光推進顧問、 IBMビジネス&カルチャーリーダー会議の世話人、日本文化デザインフォーラム幹事、駐日米国大使館写真講師などを務める。著書に『俺たちのニッポン』(小学館)、『日本力』(松岡正剛氏との共著・パルコ出版)、『Japanese Samurai Fashion』(赤々舎)など。

エバレットさんは「湿板光画」と称される技法で写真を撮り続けている。写真のような大型の8×10のカメラを用い、フィルムではなく湿板に造影するこの技法は、まさに幕末の黒船時代と同じ古式ゆかしい写真技法であり、世界的にも極めて珍しい。

神道、匠、山伏、公家、縄文といった「古きよき日本の面影」を捉えたその写真は、ジャーナリストであり、日本文化の論客でもあるエバレットさんならではの、日本の文化・精神性の本質を捉えた美しいタブローとなっている。

相馬行胤(旧藩主家当主)© Everett Kennedy Brown

三渓園(横浜市)© Everett Kennedy Brown

近衞忠大(公家@京都市・陽明文庫)©Everett Kennedy Brown

鉋鍛冶 宮本雅夫の手(兵庫県三木市)© Everett Kennedy Brown

「1988年、ソウル・オリンピックが開催された年に僕は日本に移り住み、フォトジャーナリストとして日本を取材する仕事を始めた。この三十年間、僕が日本で求め続けたのは、一言でいってしまえば次の問いの答えだった。日本とは何か?――これはなかなかに奥の深い疑問だ」(同書より)

日本に移り住み、30年にわたって日本的なるものを追い求め、誰よりも日本文化を愛するエバレットさんだからこそ、現在の日本文化をめぐる状況についての危機感は強い。

「今日の多くの伝統文化の分野では、その道の権威とされる人たちが、感覚よりも利益あるいは合理性を追求し、結果、おかしなことになっている例が少なくない。おそらくは彼ら自身も、「何かを変えなければいけないのはわかるが、どうしたらいいかわからない」という状況なのではないだろうか」(同書より)

「今の日本文化は、あまりにも本流から離れすぎている。明示以来の支流に迷い込み、袋小路に突き当たって、腐った水の瘴気(しょうき)に悩まされながら、出口を探してウロウロしているように見える。この袋小路から抜け出すには、まず本流に戻ってみることが必要ではないだろうか」(同書より)

三渓園(横浜市)© Everett Kennedy Brown

「現代のフェノロサ」とも称されるエバレット・ブラウンさんの写真と文章を通して感じられるのは、縄文時代から脈々と続く日本のすばらしい「精神性」と「身体感覚」である。物事には必ず、外側の視点からしか気づけないものがある。明治維新150周年の今、すべての日本を愛する日本人に読んでいただきたい一冊である。失われゆく日本が、本当に失われてしまう前に。

黒船時代の技法で撮る
『失われゆく日本』
著・撮影/エバレット・ケネディ・ブラウン
定価/本体1500円+税
小学館

https://www.shogakukan.co.jp/books/09388612

※表紙をクリックすると試し読みできます。

文/編集部

この記事が気に入ったら
いいね ! しよう

Twitter で

PAGE TOP