「言葉に出して行動すれば、道は必ず開けます」
18歳の歌手デビューと同時に、『スケバン刑事Ⅱ 少女鉄仮面伝説』で主役を演じ、一躍トップアイドルに。その後の幅広い活躍は、当初アイドル扱いされなかったことで培われた、行動力の賜物だった。
←みなみの・ようこ 昭和42年、兵庫県伊丹市生まれ。18歳で歌手デビュー。平成4年には大竹しのぶ、吉永小百合などとともに、同年の日本アカデミー賞優秀主演女優賞受賞。現在は舞台やテレビの司会進行などでも活躍中。12月9日にデビュー30周年記念となるアルバム『ゴールデン☆アイドル 南野陽子 30th Anniversary』を発売予定。
南野陽子さんがデビューした頃は、松田聖子さんや小泉今日子さんたちが輝いていたアイドルの全盛時代でもある。南野さんは、その後に続くトップアイドルとして、歌やドラマ、CMで大活躍した。
しかし、アイドルのレールはまったく敷かれていなかったという。
「歌手デビューの衣装も原宿で買った洋服を自分で直しましたし、ドラマもひとりでテレビ局を訪ね、厳しい学校生活などを怒りながら話しているうちに、スケバン刑事の主演が決まったんです。ドラマを地で行くようですが、アイドルがどんなものかわからないまま、アイドルになると宣言し行動した。それが私の最初のセンタクでした」
ところがトップアイドルだった23歳の頃。フリフリの衣装で、初恋の歌をテレビで歌う南野さんに、社会人となった兵庫の友人たちが、「ナンノやから観てるけど、ホンマやったら観いへんで」といわれたとき、「ああそうか、変わり時にきているんだな」と感じたという。
そこで25歳の時、歌手活動を休止し女優業を「センタク」。関心があったエイズ問題を映画制作仲間に熱く語っているうちに企画になったという『私を抱いて、そしてキスして』で主演し、日本アカデミー賞優秀主演女優賞を受賞した。
そのあと女優として幅を広げようと、今度は着物学校に夜学で2年間通う「センタク」も。それが舞台活動や、現在毎回着物姿で出演している、Eテレ『にっぽんの芸能』での司会進行役にも役立っているという。8月には初のコント舞台劇『志村魂』にも出演した。
「何にでも挑戦する間口の広さは、アイドル出身ならではのもの。あとは言葉に出して行動すれば道は必ず開けます。今年は歌手デビュー30周年なので歌手復活のセンタクもありですね」と笑顔で語る。
子供が大好きなので、今後は、親のいない子供たちと、子供のいない大人たちが愉快に集える場作りも、有言実行のライフワークだ。
←フジテレビ系ドラマ『スケバン刑事Ⅱ 少女鉄仮面伝説』で、主役の麻宮サキを演じた18歳の南野さん。制服姿の可愛さはアイドルでも飛び抜けていた。
←舞台役者としても活躍し始めた27歳の頃。これ以降、商業演劇への出演が数多くなる。
●マガジン系雑誌での巻頭47頁掲載や、映画『私を抱いて、そしてキスして』の企画発案など、ここでは書ききれない話は「ワタシの、センタク。」のウェブサイトで公開中です。
ワタシの、センタク。
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